大切な君達…大事な主へ…
□4 魔法が使えたらいいのになぁ…
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秋田「主君…大丈夫ですか?」
『秋田君、ありがとう。大丈夫だよ。今剣…さっきは、大きな声を出してごめんね。』
今剣「いいえ。あるじさまのおことばをむししようとしたボクがわるいのです…。ごめんなさい。」
『謝らないで!今剣やみんなは、私を守ろうとしてくれてたんでしょ?ありがとうね!ニコ』
短刀達は笑顔で主を見る。
燭台切「さて!主君が、この本丸に戻って来たんだから今日は、パーティーをしないとね!!」
今剣「ぱーてぃーですか!岩融!ごちそうですよ〜!」
岩融「そうだな。今剣よ!今宵は、飲んで食って楽しもうぞー!」
『…こんちゃん。』
こん「はい。主様どうか致しましたか?」
『うん…あのさ、みんながパーティーをしてくれるのは嬉しいんだけど…ちょっと本丸があっちこっち汚れているのが気になってね…。衛生面がちょっと…。パパッとキレイにならないかな?』
こん「主様の霊力を使えば直ぐにキレイになりますよ。」
『えっ!どうやるの?』
こん「キレイになれと念じるだけですよ。」
『それだけでキレイになるの?…良く分から無いけど…やって見る!』
主は、目を閉じ念じてみる。
((キレイになれ!キレイになれ!キレイにな〜れ〜!!…お願いこの本丸を隅々までキレイにして!))
パンと手を叩くと主の周りから無数の桜の花びらが舞い上がり風と共に本丸中に広まり隅々までキレイになって行く。
刀剣達が歓喜の声を上げると主は目を開ける。
『わぁ〜凄い…。ピカピカだ…。』
鯰尾「主、凄いよ!」
骨喰「こんな事も出来るのか。」
三日月「主!良くやった。初仕事お見事!!」
『…人間界じゃあ絶対にあり得ない事だけど…便利だね。これ!』
こん「ですが、これ程までに霊力を使ったのでは…少しお休みにならないとお倒れになりすよ?」
『えっ?でも、全然…』
主は、立ち上がると目眩に襲われふらつく。倒れそうになった主を三日月が抱き止める。
三日月「おっと…」
『あっ…ごめん、ありがとう。』
三日月「構わん。大事無いか?」
『うん。平気…』
こん「だから言ったのですよ。主様の霊力には、限りがありますので今みたいに大量に放出してしまえば体に負担が掛かるのです。使い続ければ後に…寿命が削られ…死に至ります。」
『えっ…私、死んじゃうの?』
こん「今すぐと言うわけでは、ありません。ですが、霊力を大量に使い続ければ…何れは…。」
『…。』
こん「ですが、霊力は回復しますので主様の霊力の容量を超えない程度に使えば何の問題もありません。」
『じゃあ、無理をするなって事ね。』
こん「その通りです。」
『パーティーまで少しここで休ませてもらおうかな。』
三日月「この様な所で主を寝かせるわけには行かぬよ。…主の部屋は、まだ整っていないからな…。よし!このジジイの部屋で少しゆっくりすると良い。」
一期「三日月殿。それは、如何なものかと思いますが。」
三日月「この様な大広間に寝かすわけにも行かぬだろう?主を寝かせたら俺も部屋から出る。案ずるな。」
一期「それなら良いのですが。護衛の為、弟達を部屋の前につけましょう。薬研、厚。頼めるね?」
薬研、厚「構わないぜ。」
三日月「では、参るぞ。」
三日月は、主を抱き上げ自室まで行き布団に寝かす。
『ごめんなさい。迷惑掛けてしまいました。』
三日月「初日から飛ばし過ぎだな。この本丸をゆっくり立て直してくれ。…この様な無理は、もうしないと約束してくれるな?」
三日月は、主の頭を撫でながら話す。
『はい、分かりました。』
三日月「それで良い。では、少し休め。宴が始まったら起こしに来る。」
『ありがとうございます。では、少し休みますね。』
三日月「あぁ。では、またな。」
眠りに入った主を優しい眼差しで見つめる三日月。
薬研「コホン。旦那、もう良いか?」
三日月「あぁ、主を頼む。」
厚「任せとけって!」
薬研「旦那は、これからどうするんだ?」
三日月「主の部屋を整えて来るさ。」
三日月は、自室を出て行き主の部屋へと向かう。
薬研「あの旦那が、人の世話とはね〜。」
厚「いつも世話して貰ってる側なのにな。こんな事もあるんだな。」
薬研「厚…本気でそう思ってるのか?」
厚「へ?」
薬研「はぁ💨お前もまだまだだな…」
厚「はっ?何がだよ!」
薬研「何でも無いよ。お前らしいって事だ。」
厚「何だよそれ!」