すれ違う2人…素直になれない想い…

□11 学園祭の準備 1日目
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生徒1「うちのクラスは和装コスプレ喫茶になりましたのでみなさんよろしくお願いします。」

忍足「和装かぁ…名無の和装かわええんやろうな…」

『侑士も和装でしょ?』

忍足「あぁ。接客なんて面倒な事しとうないんやけどな…はぁ💨」

『サボっちゃダメだよ。』

忍足「…ダメ?」

『ダメ!!』

男子「おい!忍足。ちょっと人手が欲しいんだよ!こっち手伝ってくれ〜。」

忍足「…」

『返事!』

忍足「はぁ💨はいはい。じゃー行ってくるわ。」

『頑張れー。』


女子1「じゃー先ずは和装だから浴衣か着物か袴かなんだけど…」

女子2「浴衣と着物じゃ肌けるのが嫌よね。」

『それなら袴で良いのではないですか?』

女子1「そうね!そうしましょ!じゃー買い出しには…」

女子2「わ、私やる事あるの💦」



女子達はみんな理由を付けて買い出しを嫌がる。



女子1「名無しさんさん。行って貰ってもいいかしら?」

『構わないですよ。』

女子1「ありがとう!じゃー買ってくる物のリストはこれね!」

『はい。…分かりました。』

女子1「じゃーお願いします!気を付けてね!」

『はい。行ってきます。』



名無は買い出しに行き帰り途中。



『…この量…1人で持てるかい!!どーしよう…。』

跡部「よう。名無、お前も買い出しか?」

『景ちゃん!うん。もしかして景ちゃんも?』

跡部「あぁ。お前のクラスは何をするんだ?」

『喫茶店。景ちゃんのクラスは?』

跡部「へぇ〜俺の所は演劇だ。」

『えぇー!出来るの?』

跡部「俺様を誰だと思ってるんだ?出来ない訳ねぇだろうが!」

『そう。楽しみにしてるね!クスクス』

跡部「で、お前はこれをどーするんだ?」

『それが問題なのよ…。みんなが買い出しに行きたがらないと思ったらこう言う事だったのとはね…。』

跡部「重たい物ばかりじゃねぇの。」

『うん…。ペンキに玉砂利、照明…。』

跡部「…しょうがねぇな。俺の所のは全部業者に運ぶように連絡したから荷物はねぇ。手伝ってやるよ。」

『やったー!ありがとう!!』

跡部「全くお前は…はぁ💨」



跡部は名無のクラスまで一緒に荷物を運ぶ。



女子2「やだ!跡部様よ!!」

女子1「何で!?」

忍足「チッ…」


『はぁ💨疲れた…。景ちゃん、ありがとう!助かったよ。』

跡部「これくらいどうって事ねぇよ!じゃー頑張れよ。またな!」



跡部は名無の頭を撫でて自分のクラスへ行く。



『もぉー髪くしゃくしゃにしないでよね。』



女子2「跡部様と買い出しになるなら行けば良かった…。」



忍足(…なんでいつもいつも跡部やねん。俺がこんなにも名無の事を愛してるのに…俺には名無しかおらへん…名無だけやのに…。なんで名無は俺の事を…見てくれへんのや…。跡部がおるからか…?あいつさえ…おらなかったら…名無は俺の事だけを見てくれるのやろうか…。)


忍足「跡部が…いなければ…。」



下校



『侑士、帰ろ?』

忍足「あぁ。」

『…?』



2人はいつもの所で別れる。



『じゃーまた明日ね。』

忍足「あぁ。ほなな…。」

『…なんか…変?』





『ただいま帰りました。』

執事「お嬢様…景吾様がまたいらしてます。」

『また!?』

執事「はい…この所の頻繁ですね。大丈夫ですか?」

『あぁーうん。平気だよ。私の部屋かな?』

執事「はい。」



コンコンコン



『…また来たのね?どうしたの?』

跡部「やっと帰ったか。」

『あの…来すぎじゃない?』

跡部「用があるんだから仕方ないだろ。まぁー俺は用がなくてもお前に会いたいがな。」

『…で、何しに来たの?』

跡部「無視か…まぁーいい。台詞合わせに付き合え。」

『はっ?学園祭の演劇?』

跡部「あぁ。」

『…何をやるの?私に出来るかな…。』

跡部「主役は俺なんだ。お前はただ台詞を読んでればいいだけだ。気持ちなんか入れなくていいからな。」

『そう。じゃーいいよ。で、何?』

跡部「あぁ。シンデレラだ。」

『主役シンデレラじゃん!!景ちゃんじゃないじゃん!』

跡部「…男女逆転シンデレラ…なんだよ。///」

『へっ?じゃ、じゃー景ちゃんがもしかして…シンデレラ?』

跡部「…だから主役だっと言ってんだろうが…///」

『景ちゃんのクラス思いきった事するね…。』

跡部「あぁ。///もぉーいいからやるぞ!これが台本だ。」

『あぁーはい。がんばります。』





『ちょっとシンデレラ!まだ床が汚れているじゃない!早く掃除を済ませて頂戴!!』

跡部「…はい、お義母様。」

『シンデレラ!私のドレスは何処なの!?見つけたら私の部屋まで持って来て頂戴ね!』

跡部「…はい、アナスタシア御姉様。」

『シンデレラ!お腹が空いたわ早く何か作って頂戴!』

跡部「…何なんだ!こんな召し使いみたいな役俺様には合わねぇー!!」

『台詞違う!はい、ドリゼラ御姉様。っでしょ!』

跡部「チッ!こんな役やってられるか!」

『えっ…投げ出すの?主役なのに?』

跡部「何が主役だ!これは召し使いだろーが!」

『でも最後は綺麗なドレスを着て王子様と夢のようなひとときを送ったあとまた元の召し使いに戻ってしまうけど王子様に見つけて貰って結婚してハッピーエンドなのよ。』

跡部「王子と結婚だと?でも今の段階じゃやる気がおきねぇーな。」

『…じゃー最後のクライマックスの所をやってみる?』

跡部「クライマックスだと…。まぁーいいだろ。やってやるよ。」

『はぁ💨何で手伝ってあげてるのに景ちゃんの方がやる気失くしてるのよ…。』

跡部「いいから。早くやるぜ。」

『全くもぉー。じゃー行くよ。』

跡部「あぁ。」





『貴女があの時のお嬢さんなのですね。』

跡部「はい、王子様!」

『私はあの夜より貴女の姿が目に焼き付いて離れ無いのです。…やっと貴女に会える事ができた。私は貴女の虜。貴女無しでは生きては行けぬのです。どーかこの私と結婚してくれませんか?私と一緒にお城で暮らして頂きたいのです。』

跡部「…ですが王子様。私は身寄りもないただの召し使いのような女です。地位も名誉もございません。こんな私は王子様には釣り合いません。王子様のお言葉は嬉しいのですが…。」

『いいえ。お嬢さん!地位も名誉も要らないのです。私に必要なのは貴女だけだ。貴女さえ私の傍らでいつまでも笑っていてくれればいいのです…。愛しています。私を拒まないで下さい…。』



跡部(ちょ、ちょっと待て…なんだこの破壊力は…/////)


跡部「…///」


『…?景ちゃん!台詞言ってよ。何、呆けてるのよ〜。』

跡部「う、うるせー。お前…良く普通に台詞言えるな…。///」

『?だって合わせるだけだし。感情入れなくていいって言ってたし。』

跡部「…きょ、今日はこれまででいい。また続きは明日だ!」

『えっ!?これ続くの?』

跡部「当たり前だろ。じゃーまたな!」

『あっうん…じゃーね。』

跡部「あぁ。」



((顔真っ赤にして急に帰るなんて…どーしたのかしら。))



跡部(たく、こんな台詞考えたの誰だよ!これ毎日あついにプロポーズされてるみたいじゃねぇかよ。……それもいいかもな////)



『最後まで台本読んでみたけど…いい話だなぁ〜女の子は憧れるよね〜私だけの王子様に!!よし!景ちゃんが立派なシンデレラになれる様に私が頑張らなきゃね!!明日から特訓だ!』
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