すれ違う2人…素直になれない想い…

□10 再び押しかけ訪問
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『ただいま帰りました。』

執事「お嬢様、景吾様がいらしてます。」

『えっ…部屋?』

執事「はい…。少しご機嫌が悪うございますのでお気をつけ下さい。」

『うん…分かった。』



コンコンコン



『あの…戻りましたけど…』

跡部「!!大丈夫か?」

『へっ?』

跡部「また間抜けな声だな…。忍足と帰って何もされなかったかよ?あいつさっきキレてただろう…。」

『あっ…うん。少し言い合いをしたけど何もされてないよ。』

跡部「…そうか…良かった。」

『安心した顔して…心配してくれたの?』

跡部「当たり前だろ!お前に何かあったらと思ったらいてもたってもいられなかったからここにいるんだ。」

『…ありがとう。///』

跡部「あっあぁ///」



2人が照れあっていると執事がお茶を運んでくる。



執事「…お嬢様、大丈夫ですか?(小声)」

『…大丈夫よ。ありがとう。(小声)』

執事「では、失礼いたします。」




跡部「ふん。俺も信用ねぇな。」

『えっ?』

跡部「お前には危害は加えねぇって言うのによ…。」

『今までの行いじゃないかしら。クスクス』

跡部「…たく。クックック」

『用事は済んだの?』

跡部「あぁ。お前に渡したい物があったからさっきは誘ったんだよ。」

『渡したい物?』

跡部「これだ…///」

『これは…昔、一緒に行った縁日で私が欲しいって言った指輪…に…似てるやつ?』

跡部「この前、お前が昔欲しいって言ってたやつを昔の俺はもっといいものをと思ってお前に渡していたんだがそれは俺の自己満足だったからな…今となっちゃーいらねぇかもしれないけど…渡しておきたかったんだ。あの時の指輪はもぉー何処にも売ってなかったんだが…。」

『も、もしかして探してくれたの!?』

跡部「あぁ。」

『そっか…。私のために…ありがとう。大切にするね!ニコ』

跡部「…うっ/////」

『えっ?大丈夫?』

跡部「な、何がだよ…////」

『いや、今うって苦しそうな声が…』

跡部「う、うるせーんだよ…////」

『顔も赤いし…』

跡部「たく、お前が可愛すぎるのが悪いんだよ!////」

『えっぇぇー。私のせいなの?』

跡部「そうだよ!」

『ごめんね…可愛くて…。』

跡部「謝るならちゃんと謝れ!自惚れたこと言ってんじゃねぇーよ。」



跡部は名無の頭をコツンと拳で優しくこずく。



『いったぁ〜い!』

跡部「…大袈裟。あはは」

『もぉー私の事は傷つけないんじゃなかったの?』

跡部「傷ついたのかよ?」



跡部は真剣な顔になる。



『…傷ついてないけど。』

跡部「そうか。俺は気づかない内にお前を傷つけてしまう事があるかもしれない。その時は今みたいに言ってくれ。お前を守れるナイトになりたいからな。」

『…うっうん///』

跡部「俺様はKINGなのにお前の前だけだからなナイトになるのは…。分かったか?」

『…分かったよ!///』

跡部「じゃーそろそろ返る。」

『見送るよ!』

跡部「勝手に押し掛けたんだここでいい。また明日な!おやすみ。ニコ」

『うん。指輪ありがとう!また明日ね!おやすみなさい。ニコ』
((景ちゃん。昔の指輪の形とかよく覚えてたな〜。これ、どんな顔して探してくれてたんだろ。クスクス。やっぱり優しい…。今の景ちゃん…私…好きだな。))



跡部(喜んでたな…。あいつのあんな顔、久しぶりに見た…。あいつの喜んだ顔をもっとずっと見ていたいものだな…。)



次の日



忍足「名無。次移動教室や。一緒に…」

『まだ、用意できてないから先に行ってて。』

忍足「あぁ。分かった…」



((昨日、言い合いしちゃってから何か気まずい…。))


忍足「名無。昼飯…」

『今日はお弁当なんだ…食堂には行かないから…。』

忍足「そうか…。ほな、行ってくるわ。」

『…うん。』



忍足(…避けられてるんやろうな。自業自得かぁ…。)



下校



忍足「名無。一緒に帰れるか?」

『…うん。』

忍足「そうか!ほな、帰ろか?」





忍足「昨日はすまんかった!」

『…。』

忍足「お前とこんな風にぎこちなくなるんがいやなんや。」

『うん…』

忍足「仲直りしてくれへんか?」

『…いいよ、私も昨日侑士とあんな風に言い合いになっちゃってちょっと気まずいなって思ってたの…ごめんね。』

忍足「いいや、俺が悪いんや。自分の想いをお前に押し付けてしもうたせいなんやから。」

『…。』

忍足「せや、甘いモンでも食べに行こか?」

『食べたい!』

忍足「クレープでも行くか?」

『いいよ!』






忍足「そのバナナのチョコのやつはあっまそーやな…」

『侑士は、何にしたの?』

忍足「甘くないやつや。」

『へぇ〜甘いの苦手?』

忍足「あぁ。でも甘そうな子を見るのは好きやで!」

『甘そうな子?』

忍足「そうや。名無、見たいな甘くて可愛い子や!」

『昨日そんな事、誰かも言ってたなぁ〜。』

忍足「なんや、俺以外にそんな事、言う奴がいるんか?口だけやから信用したらあかんで。」

『…自分の事、言ってるの?』

忍足「へっ?」

『分かった!侑士は信用したらあかんね!』

忍足「ちゃうちゃう!!俺は平気や!」

『…そう?』

忍足「この目を見てみ!嘘ついてる目に見えるか?」

『どれどれ…』



忍足は目を輝かせる。



『…しょうがない信じよう。』

忍足「よし!」



クレープを食べた後、忍足は名無の家の近くまで送る。
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