夢を追いかける君をずっと側で見ていたい…
□9 どきどきテスト勉強会!
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『よし!テスト勉強頑張るぞー!』
幸村「名無は、バイトしていても学年順位は、中の上だよね?頭も良いんだね?」
『チッチッチッ!精市さん。私、自慢じゃないですが…数学が破滅的にヤバいです。点数は、いつも一桁ですよ。』
幸村「えっ!!じゃあ、他の教科は?」
『はい。数学の点数を補う為に、めちゃめちゃ努力してます。えっへん!』
幸村「…威張らない。数学頑張ろうか。ニコ」
『…嫌かな。』
幸村「ダメだよ。」
『ひっ!!精市さん…背後に黒いオーラが見えます。』
幸村「一緒に頑張ろうね!ニコ」
『あっ…はい…。』
テスト期間中の為に部活がないテニス部員(R陣)と一緒に彼女も真田の家で勉強する事になった。
『あの…すみません。私まで一緒に勉強させて頂いてしまって…。』
真田「構わない。幸村たっての願いだ気にするな。」
『はい…』
仁王「まぁー名無。そんなに怖がらんでも真田は名無を取って食ったりしないぜよ。安心するなり。もしもの時は俺が守ってやるぜよ。」
柳生「仁王くん…」
丸井「…大胆だろい。」
切原「あんた仁王先輩が優しいからってあんま調子に乗んなよ。潰すよ?」
幸村「赤也、君の方だよ。調子に乗るんじゃない。」
真田「年上に向かって口の聞き方がなっとらん!!」
真田の鉄拳制裁が切原の頬に目掛けて飛んで行く。
バチン
切原「いってぇ〜。」
『はっ…大丈夫…?』
柳「名無しさん。心配しなくていい、いつもの事だ。」
『で、でも…痛そうだよ…。』
幸村「さぁー名無。勉強始めようか。」
『えっ!あっはい…』
彼女は、赤也を心配そうに見つめる。
切原「べっ別に平気っすよ。…俺が悪いんだし…。///(小声)」
『あぁ…ツンデレなのね…可愛い///』
仁王「名無、変なスイッチ入れちゃいかんぜよ。」
『でも…。///』
彼女の両隣に幸村と柳生が座り数学を教える。
幸村「因数分解は、こうしてこうだよ。分かる?」
『分かりません。』
柳生「こちらの場合は、こっちの式を使いましょう。分かりますか?」
『分かりません…。💧』
幸、柳生「……。」
『ごめんなさい💦本当に破滅的に数学ダメなんです〜💧』
柳生「一気に頭に入れ込んでも仕方ありませんから少し休憩しましょう…。」
幸村「そ、そうだね。」
『ごめんなさい💧』
切原「ぷぷっ。頭、悪りーのかよ。」
幸村「赤也…。」
切原「!!すんません…」
『可愛い///』
丸井「年下キラーか?」
ジャッカル「さぁーな。」
真田「お茶を淹れてくる。」
『あっ!手伝います。』
真田「すまない。頼む。」
『はい。ニコ』
真田「…。///」
ジャッカル「真田も持って行かれそうだな…。」
丸井「確かに…」
仁王「柳生。ちょっといいか?」
柳生「仁王君?何ですか、一体。」
彼女と真田は人数分のお茶を持って戻る。
幸村「じゃあ、気を取り直してやろうか。」
『はい…』
((あれ?柳生君と雅くん…))
柳生「ここは、こうしてこうするといいと思いますよ。それで、こうなったらこれを使うのです。」
『!!出来た…。何で?さっきは分からなかったのに…』
柳生「美味しいお茶を飲んで気持ちが切り替わったのかもしれませんね。この勢いで次の問題もやって見ましょう。」
『……出来ちゃった。』
幸村「凄いじゃないか。今度は、1人で解けたんだね!」
『うん。柳生…君のお陰です!ありがとうございます。これで、今回の数学良い点数が取れそう!』
柳生「それは、良かったですよ。」
切原「ちぇっ!つまんねーの。」
『赤也君は、何が苦手なの?』
切原「ちょっ!!馴れ馴れしく呼ぶんじゃねーよ///」
『ごめん。みんなが赤也って呼んでたからつい…。名前なんて言うの?』
切原「…切原赤也」
『切原君ね。』
切原「……赤也でいい。(小声)///」
『…もぉー天使///』
丸井「ぷっ!おい、名無しさん!こいつコートでは、赤目のデビルって呼ばれてるんだぜ。」
『デビル…悪魔?』
切原「…そうだよ!文句あんのかよ💦」
『はぁ💨…やっぱり天使。』
幸村「…。」
(赤也にまで…あぁー本当にイライラする。)
テスト勉強が終わり
真田は赤也の勉強態度について叱っている。
彼女は、みんなの湯飲みを洗いに台所にいた。
柳生「名無しさんさん。手伝いますよ。」
『ふふっ、雅くんでしょ?』
柳生「!!またか…。何で分かった?」
『う〜ん。何となく?』
仁王「俺のペテンは、これまでかのぅ。」
『でも、雅くんが数学教えてくれたらすらすら問題が解けたよ。教え方がいいんだね。柳生君に成り代わらないで雅くんのままで教えてくれたら良かったのに。」
仁王「…幸村に睨まれるだろ。」
『えっ?何で、そこで精市くん?』
仁王「分からんなら、それでいい。」
『?もう何なの。』
湯飲みを洗ってる為、下を向く名無の首に光る物を見つける。
仁王「それ、着けててくれてるのか?」
『うん!お気に入りだもん。ニコ』
仁王「そうか…ありがとうな。(小声)///」
『何か言った?』
仁王「別に…」
幸村「…名無。これも持って来たよ。ニコ」
仁王「!!?」
『あっ!精市くん。ありがとう。ニコ』
幸村「じゃあ、テーブル拭いて来るね。」
『うん!よろしく〜』
仁王(幸村…ネックレスの事、知ったら怒るんじゃろうな…。)
『お邪魔しました。あと、美味しいお茶ご馳走さまでした。』
真田「あぁ。また、来るといい。」
『はい!ありがとうございます。では、失礼します。』
真田「気をつけて帰るんだぞ。」
切原「はぁ💨終わった、終わったー腹減ったっすね!飯食いに行きましょーよ!」
丸井「おっ!いいね。行くだろ?仁王。」
仁王「いいぜよ。」
ジャッカル「幸村は、どうする?」
幸村「あぁ。俺は名無を送って、そのまま帰るよ。」
『えっ…?』
丸井「そっかー。じゃあ、二人共また明日な!」
仁王「…。」
幸村「うん。名無、行こうか。」
『ぅうん…。』
幸村と彼女は歩いて行く。
切原「幸村部長。何か怒ってるっすよね…。」
柳「何かある確率99%」
丸井「高!!」
仁王「…悪い!俺、先に帰る。」
丸井「あっ!おい!!…何だ?あいつまで…。」
ジャッカル「標準語だったな。」
丸井「気にするとこ、そこかよ!!」
彼女は幸村に家まで送られる。
『精市くん良かったの?みんなと一緒に食事に行かなくて…。』
幸村「…。」
『…?』
((えっ…何。無視?))
幸村「…昨日、何してたの?」
『えっ昨日?昨日は、雅くんと買い物の約束してたからそれに付き合って出掛けたよ。』
幸村「ふぅ〜ん。買い物だけ?」
『…映画見て、ごはん食べて、買い物しただけだよ…。』
((何か何時もの精市くんじゃない…怖い。))
幸村「それってさぁー、デートだよね…?」
『そう言われれば、そうかもね。』
幸村「それに…その首に着いてるの、何?」
『…今の精市くん、嫌い。』
幸村「💢どうして…?」
『聞きたい事があるなら遠回しに聞かないでよ!!』
幸村「…じゃあ、聞くけどさ。昨日、仁王と何話してたの?たまたま、二人が一緒に居る所を見かけたんだよ。顔赤くしてたね。それ、仁王から貰ったネックレスだよね?」
(ヤバイ)
『別に大した話しはしてないよ。顔が赤かったのは、雅くんが何時もみたいにからかったからだし。このネックレスは、雅くんのお姉さんの誕生日プレゼントを一緒に選んだお礼で貰ったんだよ!』
幸村(止まらない。)
「仁王からのプレゼントだから大切に身につけてるんでしょ?」
『はっ…?』
幸村(やめろ)
「それにさっきのは、何?
赤也に可愛いだの天使だの連呼して…
(これ以上、言うな!!)
そんなに皆に気に入られたい訳?」
(言ってしまった…。)
『…何で…(小声)』
幸村「…えっ?」
『何でそんな酷い事、言うのよ。』
幸村「あっ…。」
『大切な友達から貰った物なんだから大事にするのは当たり前じゃない!!赤也君だって初めの印象と違って話すといい子だったから仲良くしたいと思っただけなのに…』
幸村「ごめ…」
『嫌い。』
幸村「えっ…?」
『精市くんなんて、大嫌い!!』
彼女は、泣きながら走って家に帰ってしまう。
幸村「…。」
(俺は、バカだ。仁王に…赤也に嫉妬して名無にイライラをぶつけて傷つけてしまった…守りたい人を自分の手で傷付けるなんて…)
仁王「はぁ💨仕方がないのぅ。」
次の日
『おはようございます〜。遅くなりました〜。』
先生「あら?最近は、ちゃんと来てたのに寝坊?」
『はい。勉強のしすぎです…すみません。』
先生「そう。テスト勉強無理しすぎて風邪引かないようにね。」
『はい。』
幸村「…おはよう(小声)」
『…。』
幸村(そりゃそうだよね…無視されて当然か…。)
放課後
幸村「はぁ💨」
(結局、名無は殆んどサボりに行って教室には戻らなかったな…。昨日の事、謝れなかった…。)
「どーしたら…いいんだ…」
仁王「幸村。」
幸村「!?仁王。」
仁王「手っ取り早く話す。昨日の名無とのやり取り見てたぜよ。」
幸村「…そう。」
仁王「はぁ💨こっち方面は不器用じゃな。」
幸村「何とでも…」
仁王「名無と仲直りをしたければ、素直になるんじゃ。」
幸村「えっ…?」
仁王「名無は、少し…いや、かなり鈍感だから大胆な事を言っても気づかないぜよ。つまり、ダイレクトな好き以外は効かないなり。」
幸村「…。」
仁王「素直に謝れ。名無は、必ず許してくれる。」
幸村「仁王。何で、そんな事を教えてくれるんだい?俺は、君にとって…」
仁王「名無が、傷ついたままなのは見てられないだけぜよ。」
幸村「すまない。苦労をかける。」
幸村は彼女を探しに走り出す。
仁王「名無は、いつも悩んでる時は図書室ぜよ!」
幸村「ありがとう!仁王。」
(本当に何でも知ってるんだな…。腹立たしいけど、今は感謝するべきなんだろうな。)
仁王「…これは、一つ貸しにしとくなり。」
図書室
放課後の図書室は、殆んど人がいない。図書委員でさえいたりいなかったり。
【それだめじゃん!】
『Zzz…』
幸村は彼女の姿を本棚のある方を見て探した。
幸村「はぁーはぁー。居た…」
彼女は、窓際のカーテンの中で本を取る脚立に体を預けて居眠りをしていた。
幸村「名無。…名無。」
『ふぁ〜誰?』
幸村「俺だよ。」
幸村と目が合い、一気に目が覚め逃げ出そうとする彼女を持たれていた脚立の端と端を幸村は両手で掴み名無を閉じ込めてしまう。
『ちょっと!退いてよ!』
幸村「名無!お願いだ!俺の話を聞いて。(小声)」
必死な顔をする幸村。
『…何よ。』
幸村「昨日は、ごめん。」
『…。』
幸村「俺、焦ってて。仁王が名無と友達で前から仲が良かったのは知ってた…だけど俺も名無と友達になれて、仲良くしていく内に友達以上に思うようになったんだ。守ってあげたいって。それなのに運動会の日、女子達が名無を傷つけた。あの時、仁王が助けに入れて、俺はそんな事に気づかないでいた…。とても悔しかった。」
『別に精市くんのせいじゃ…』
幸村「仁王とのデートで楽しそうに話をしてる君を見ていたら、俺の心の中にどんどん汚れた感情が入って来て。赤也と話してる時の君も、とても楽しそうで…赤也とも仲良くなっていくのが嫌だったんだ。俺だけの大切な子でいて欲しかったんだ…。」
『…。』
幸村「我が儘を言って、ごめん。君は俺だけのものじゃないのにね…。」
傷ついた顔をする幸村を見て名無は、居ても立ってもいられず、幸村を抱き締めた。
幸村「えっ…」
『もう、いいよ。怒ってないから。そんな、傷ついた顔しないで…』
幸村「名無…」
幸村も抱き締め返す。
『運動会の日、確かに助けに来てくれたのは、雅くんだけど。その時ね、精市くんの姿で来てくれてたんだよ。』
幸村「えっ…仁王は、そんな事一言も言ってなかった…」
『ふふっ、精市くんが来てくれたって思った時、とても嬉しかったんだよ。ニコ』
幸村「///!!」
『雅くんだったけどね。ニコ』
笑う彼女に幸村は、限界が来ていた。
幸村「名無、もう、離れて…///」
『えっどうしたの?』
幸村「…名無が、可愛すぎて…俺、色々と限界…///」
『限界って?』
抱き付いたまま彼女は、上目使いで話続ける。
幸村「はぁっ…もぅ…ごめん!!」
『えっ?んっ…!!』
幸村は彼女に軽いキスをする。彼女は、目をパチクリさせている。
『へっ…///』
幸村「ごめん…ね…?」
『…ファーストキス。』
幸村「…俺も、だよ。///」
『いやぁぁぁぁあー!!?』
先生「図書室では、静かになさぁぁぁい!!」
二人は怒られた後、図書室を出る。
幸村「…機嫌直してよ?」
『…無理。』
幸村「…名無も悪いんだよ。」
『はぁ?何でよ!』
幸村「俺、限界だって言ったよね?」
『限界だけじゃ分からないし!』
幸村「…名無が、可愛すぎるのが悪い。」
『責任転嫁!』
幸村「ふふっ。じゃあ、今後は気をつけてね。」
『はっ?どう言う事よ?』
幸村「名無が、俺の前で可愛い事をしたら、また直ぐにしちゃうかも…。」
幸村は、彼女の唇に人差し指を当てウィンクする。
『…うざ!!もう、知らない!』
幸村「ふふっ、可愛い。ニコ」
『はっ!』
彼女は、自分の口を両手で隠す。
幸村「…寂しいけど、俺も男だよ。少しは警戒した方がいいよ。」
『決めた。精市くんとは、少し離れて話をする。』
彼女と幸村は仲直り?出来たみたいです。前よりもお互いが近い存在になりました。