夢を追いかける君をずっと側で見ていたい…

□8 ホラー映画を観ると手で顔隠しちゃう…
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チロリロリン


『あっメールだ。…雅くんからかぁ。』


from 雅くん
to 名無
件名 無題
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勉強は終わったか?
来週の日曜日、用事が無いようだったら買い物に付き合って欲しいぜよ。


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『来週かぁ。何も用事は無かったな…いいよっと。』



チロリロリン



from 雅くん
to 名無
件名 Re:
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じゃー日曜10時に駅前で待ち合わせぜよ。


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『日曜日の10時ね。…了解っと。』


名無は、仁王にメールを返し眠りにつく。



仁王と約束した日曜日
彼女は、待ち合わせした駅前へと向かっていた。



((少し早く着いちゃうかな…。あっ!雅くん、もう居る。あれ?誰かと居るけど…お友達かな?))


仁王「これから連れが来るぜよ。さっさと散るなり。」

女1「えぇ〜やだー。君、ちょーイケメンなんだもん。ここで逃したらもう、二度とこんなイケメンには出会えないよ〜。」

女2「そうだよ!お姉さん達といい事しようよ💓」

仁王「はぁ💨参ったぜよ…」

『雅くん!』

仁王「おぉー名無!」

『お待たせ…こんにちは。お友達?』

女1「うわ…めっちゃ美人。」

女2「負けたわ…行こ。」

『えっ…あのぉ…。何か悪い事しちゃったかな?』

仁王「何も悪くないぜよ。名無は、あいつらから俺を守ったなり。」

『えっ?そうなの?』

仁王「さぁー行くか。」

『うん。』



二人はショッピングモール内へ行く。



『雅くん。先ずは、どこに行くの?』

仁王「映画かのぅ。」

『映画!?買い物は?』

仁王「後ぜよ。」

『ふーん。で、何見るの?』

仁王「俺的には、サスペンス映画なんだがな…今回は、無いな。名無は、見たいのあるか?」

『映画かぁ…。私、あまり難しいのはちょっと…』

仁王「じゃあ、これにするぜよ。」


[テニス部の亡者〜始まりの刻〜]


『よく分からないけど…テニスの映画なのかな?』

仁王「多分な。」



二人はチケットを買い映画館の中に入って行く。



仁王「始まるな。」

『うん。』



映画を観てる内に段々と怖い感じになっていく。



『…。ビクッ!』

仁王「怖いんか?(小声)」

『…コク』

仁王「じゃあ、手でも握ってるか?」



名無は頷き、二人は手を繋ぐ。



仁王(怖い映画こそぜよ…。)



クライマックスになり大きな音と怖い映像が流れ、彼女は大声を出してしまう。


『きゃぁぁぁあー!!んっ…。』



驚き過ぎて仁王の胸に顔を埋める。仁王は彼女の頭を撫でる。



仁王「怖くない、怖くない。」

『ごめん。暫く、このままで…』

仁王「構わんぜよ。」



映画が終わり
二人は食事をしに来ていた。



『ねぇー雅くん、あの映画怖い物だって知ってたでしょ?』

仁王「何の事じゃ?俺は、テニスの映画だと思ってたぜよ。ニコ」

『その笑顔…嘘だね!!私が怖がるの楽しんでたでしょ?』

仁王「侵害ぜよ!楽しむ所か心配してたなり。」

『本当に…?』

仁王「この顔が嘘ついてるように見えるんか?」

『精市くんが、詐欺師って言ってたからなぁ〜。』

仁王「…おまんには、敵わんな。正直、嬉しかったぜよ。」

『えっ?嬉しかったって?』

仁王「名無に抱き付かれて。」

『……///』

仁王「ははっ、赤くなりなさんな。正直に言ったこっちまで照れるぜよ。///」

『も、もう、この話は終わり///』



二人は食事を済ませ、お店の外へ出る。



『次は、どうするの?』

仁王「買い物かのぅ。」



二人は可愛い小物屋さんに行く。



『ここ?』

仁王「そうぜよ。」

『ふーん。随分、可愛いお店だけど…自分用?』

仁王「いや。姉が近々、誕生日なんでプレゼントを選んで欲しいぜよ。」

『あぁ〜そう言う事か。なら、任せて!』

仁王「頼むなり。」



プレゼントを選ぶ二人を遠くから見ていた者がいた。



幸村「えっ…仁王と名無…?」

(あっ…この前cafeでデートする約束してたな…。少し様子を見よう。)



『ねぇーねぇーこれは?』

仁王「可愛すぎぜよ。」

『そう?』

仁王「却下なり。しかも、ネックレスって…。姉貴に弟が渡すかのぅ?」

『そうか…可愛かったんだけどな…。』

仁王「…名無は、これを貰ったら嬉しいか?」

『うん!嬉しいよ。』

仁王「そうか…。」

『よし!次、次。』



仁王は、名無にバレないように小さなピンクダイアが1つ付いたネックレスを買う。



『あれ?どこ行ってたの?』

仁王「ト・イ・レぜよ。」

『そう。ねぇーこれは?』

仁王「あぁ。いいな、それ。それにするぜよ。」

『うん!』



幸村「…本当に仲が良いな。」

(あぁーまただ。見ていてまた、イライラしてくる。)



二人は買い物を済ませ、お店の外に出ると外が薄暗くなっていた事に気づく。


『あれ?もう、こんなに暗くなってる…』

仁王「…家まで送るぜよ。」

『でも、駅から離れちゃうよ?』

仁王「構わないなり。女の一人歩きは危険ぜよ。送られとけ。」

『うん。ありがとう!』



帰り道



『ねぇー雅くんは、初めて私と話した時、なんで話し掛けようって思ったの?』

仁王「ん?あぁー2年の終わり頃だったかのぅ。」

『そぉーそぉー。あの時、私は寒空の下で何時ものように屋上庭園で風景画を描いてたんだよね〜。』

仁王「そうだったのぅ。それで、俺は屋上でサボり中だった。」

『あんな寒い所じゃあ、サボるのも命懸けだったんじゃない?』

仁王「あの時、おまんが毎日のようにあそこで絵を描いてたからぜよ。」

『えっ?』

仁王「初めは、サボりに行って寒いから違う場所に移ろうと思った時におまんを見かけたなり。寒空の中、絵を真剣に描いとるおまんを見て、変な奴とも思ったんだが、あまりにも真剣なおまんの目を見ていて、目が離せなくなったなり。そしたら、毎日おまんは、あの寒い屋上に来るから俺も自然と毎日行くようになったぜよ。暫くこんな毎日が続いて、おまんの絵が完成した時、おまんは倒れるようにその場に横になってのぅ。俺は、慌てて側に駆け寄ったら、豪快にイビキをかいて寝てたぜよ。その時も膝枕してやった事、気付いて無いだろ。」

『うん。』

仁王「おまんの素顔は、その時に見たぜよ。」

『…エッチ!』

仁王「ははっ。それで、その次の日からおまんは屋上に来なくなった。」

『絵を描き終えたからね。』

仁王「俺は毎日、おまんが来るのを屋上で待ち続けた。おまんが何年で何組なのかも分からんし。朝は、遅刻するわで、全然探しても見つからんかったからのぅ。それで、漸くおまんを屋上でまた見かけた時に、居ても立ってもいられず話し掛けたって訳ぜよ。」

『…。』

仁王「気づいた時には、おまんに夢中だったなり。ニコ」

『何か…照れるよ///』

仁王「何でだ?」



仁王は、名無の目をじっと見つめる。



『何でって…そんな真剣な目で見られると…雅くんじゃない見たいで…///』

仁王「緊張するか?」

『う、うん…///』

仁王「なら、目を瞑りんしゃい。」

『えっ…何で?』

仁王「いいから。」



名無は、仁王の言う通り目を瞑ると首元に冷たい物があたり手で触ってみる。



『雅くん…これ!?』

仁王「今日の買い物に付き合ってくれたお礼ぜよ。安もんで悪いがな…今は、それで我慢してくれ。」

『我慢だなんて、とんでもない。いいの?』

仁王「ははっ、いいぜよ。ニコ」

『嬉しいよ!可愛いって思ってたから。ありがとう。ニコ』



幸村「…何、あの嬉しそうな顔。顔も赤くしたりなんかして…腹が立つ。」



名無の家の前まで来る。



『今日は、逆にありがとうね!大切にする。ニコ』

仁王「あぁ。また、明日。」

『うん!気をつけてね。』



彼女は手を振り部屋に入って行く。
仁王は振り返り帰ろうとすると、人影が隠れるのを見かける。



仁王(…見られてたな。幸村かのぅ…。)


幸村(…バレてるんだろうな。きっと。)


((あぁ〜今日は、楽しかったな〜。でも、何だか今日の雅くん…かっこよく見えたかな…。///))
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