夢を追いかける君をずっと側で見ていたい…

□5 喧嘩もたまにはしますよ。
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次の日 朝の教室



『あっ!幸村君、おはよう。』

幸村「おはよう。今日は、朝から来れたんだね!」

『うん…。だから凄く眠いの。』

幸村「ふふっ、本当だ。目の下に隈が出来てるね。」

『あの、今日は昨日のお礼がしたくて、朝から頑張ったんだー。』

幸村「あぁ、別にお礼なんて良いのに…。」

『そうはいきません。はい、これどうぞ!』



彼女は、クッキーの入った包みと水筒に入った紅茶を幸村に渡す。



幸村「これって、もしかして紅茶?」

『うん!こんなんで、お礼になるか分からないけど…。』

幸村「ありがとう。とても嬉しいよ!後でゆっくり飲ませて貰うよ。ニコ」

『いえ💦こちらこそ、ありがとうでした!』

幸村「ふふっ、今日は朝から授業に出るのかい?」

『うん…。折角、来たからね。頑張ってみるつもり…。』

幸村「居眠りしてたら後ろから突っついてあげるよ。ニコ」

『いらないかな。』



二人が仲良く話してる姿を女子達は冷たい目で見ていた。



放課後



先生「では、運動会の二人三脚のペアは、こんな感じになりました。体育の時間でも練習はするけど、各ペア怪我をしないようにね!じゃあ、ホームルーム終わり。」


女子1「私、幸村君とペアになりたかった〜」

女子2「私も…」

女子3「私もよ!何で、あんな地味子が…💢」

女子1「本当にね〜。朝も仲良く話しちゃってさー。」

女子2「ムカつく…」



幸村は、女子達の話を気にしているが、彼女は全然気にしていなかった。



『私、運動苦手なんだよな…』

仁王「何だ、幸村と二人三脚か。」

『うん…。』

仁王「まぁー幸村が、お前さんのペースに合わせてくれるなり。安心しんしゃい。」

『うん…。足引っ張らないように努力します…』

幸村「…仁王。」

仁王「何だ、幸村。」

幸村「ホームルーム終わったばかりなんだけど…。」

仁王「知ってるぜよ。名無が何の競技に出るか気になってのぅ。見に来たなり。」

幸村「ふぅ〜ん。まぁー俺が、ちゃんとリードするから安心してね、名無しさんさん。」

『はい…よろしくお願いします。雅くんは、何に出るの?』

幸村「…。(雅くん…)」

仁王「ん?借り物競争ぜよ。」

『そうなんだ。大変そうだね。』

仁王「出されるお題によるのぅ。」

『はぁ💨雅くんと幸村くんは、運動できるからいいよね…。』

幸村「…💢仁王。俺、先に部活行くから。」

仁王「お、おう。分かった。」



幸村は、鞄を持ちさっさと教室を出て行く。



『??どうしたのかな?』

仁王「ははっ、おまんも大変ぜよ。」

『えっ?』

仁王「何かあったら守ってやるからのぅ。」

『?…うん。ありがとう?』

仁王「じゃあ、俺も部活行ってくるなり。」

『うん。じゃーね!』



彼女と仁王は別々に教室を出る。
だが、仁王は教室を出たフリをして名無達のクラス内を伺う。



女子3「仁王まで…」

女子1「何で地味子にばかり、いい男が来るのよ💢」

女子2「マジ、ムカつく…」


仁王「ほう…少しクラス内は控えるかのぅ…」

(俺だけのファンなら何とかなるが、これに幸村のファンまで来たら守りきれんぜよ…。)



部活中の幸村は荒れに荒れていた。



幸村「赤也!動きが悪すぎるよ。少し走っておいで!」

切原「えぇ!?幸村部長、マジっすか!?」

幸村「何だい?まだいたの?周回増やそうか?」

切原「い、今すぐ行って来ますー!!」



切原は幸村に言われた通り外周をしに行く。



真田「荒れてるな。」

柳生「えぇ…。」

柳「仁王が関わっている確率100%」

丸井「また、あいつのせいかよい!」

仁王「何じゃ。何時も俺が悪いみたいな言い方は侵害ぜよ。」

柳生「仁王君!!」

丸井「じゃあ、今回は違うのかよ。」

仁王「いいや。多分、俺が原因かもな、俺って言うよりは…俺の名前が…」

丸井「やっぱりな〜。」

幸村「そこ!!無駄話しているならみんなで走っておいで。」

R陣「…ウィーッス」



結局、全員走らされた。



幸村(あぁ〜イライラする。前からお互いを下の名前で呼びあってたけど…何だか、無性に腹が立つ…。)



次の日 学校



((幸村くん、昨日は何か変だったな…。cafeの方にも来てくれなかったし…体調でも悪かったのかな?))

『幸村くん。おはよう!』

幸村「おはよう。」

『昨日は、体調でも悪かったの?』

幸村「別に…。これ、ありがとう。」

『あっ…うん。』



幸村から昨日の水筒を返して貰う。



((やっぱり、何か怒ってる…。))



次の日 cafe



((何で怒ってるんだろう…。言ってくれなきゃ分からないのに。私が何か気に障る事したのかな…?))

『はぁ💨』

叔母「何か今日は身が入ってないね…。」

『えっ!そんな事無いよ💦』

叔母「今日は休日だし。もぉー上がっていいよ。」

『でも…。』

叔母「あんたの貯金。目標金額まで貯まったからこれからは、こんなに切り詰めてバイトしなくていいんだよ。」

『えっ!いつの間にそんなに貯まってたんだぁ。』

叔母「そうだよ。だから、うちには気が向いた時に手伝いにおいで。」

『でも、楽しかったから…。』

叔母「じゃあ、休日に手伝いに来な。後は学業に専念しなさい。」

『うん…分かった。でも、たまに学校帰りに手伝いに来てもいい?』

叔母「無理のない程度ならね。」

『やったー!ありがとう、叔母さん。』

叔母「じゃあ、今日は遊びに行っておいで。」

『うん。行ってきます!』



彼女は、着替えて店を出て行く。
暫くするとお店には、幸村が来店した。



叔母「いらっしゃい!あら、久しぶりだね。」

幸村「こんにちは。何時もの貰えますか?」

叔母「あぁ〜今日は、あの子もう上がって貰っちゃったんだよね。」

幸村「体調でも悪かったんですか?」

叔母「いや。体調は悪くないんだけど…なんか身が入って無いようだったからね。今、出てったから追いかければ、直ぐ捕まると思うよ。もし捕まらなかったら近くの森林公園に行ってごらん。スケッチしてると思うから。」

幸村「…ちょっと行ってみます。」

叔母「行ってらっしゃい。ニコ」



幸村は店を出て行く。



叔父「あの子が例のイケメン君かい?」

叔母「そうだよ。いい男でしょ。クスクス」

叔父「まぁー。」

叔母「私も青春時代に戻りたいわ!」

叔父「…。」



森林公園



『はぁ💨』

((モヤモヤする時こそ、集中だよ!集中!!))



幸村「はぁーはぁー。運動音痴じゃなかったのか…?全然、見当たらない…。」



幸村は、噴水に向かって集中して絵を描いてる名無を見つける。



幸村「…いた。」



幸村は、名無に気付かれないように彼女が描いてる噴水の向かい側に行き見つめる。


『………。』


幸村(凄い集中力だな。全然、気づかない。)


『はぁ💨』


幸村(ん?悲しい顔してる…。)


『…うん?』



彼女は、噴水の向こう側に見覚えのある姿を目にし目を凝らす。



『あれって…はっ!!幸村くん!?』



幸村は、名無が気づいてくれた為、笑顔で彼女の前まで行く。



幸村「やっと気づいてくれた。ニコ」

『何でここに?』

幸村「cafeに行ったら、叔母さんがここに居るって教えてくれたんだ。」

『そうなんだ…。』

幸村「どうしたの?」

『…どうしたのじゃ無いよ!』

幸村「えっ…。」

『なんで、この前怒ってたの?あれ以来、話し掛けても素っ気ないし。cafeにも顔出してくれないし…何で怒ってるか言ってくれなきゃ分からないじゃない!!』

幸村「…ごめん。」

『…。』

幸村「その…怒ってたって言うか…ヤキモチかな…。」

『はっ?ヤキモチ?』

幸村「うん…。君と仁王が下の名前で呼びあってるのを聞いてたら、何だか無性に腹が立って…。」

『何で、そんな事ぐらいで…』

幸村「君達が前から仲が良かったのは知ってるけど…何か俺だけ除け者みたいで…。」

『今も?』

幸村「えっ?」

『今もイライラするの?』

幸村「多分…二人が呼びあっているのをみれば…すると思う。」

『どうしたらいいの?』

幸村「…。」

『黙るの無し。』

幸村「俺も…名無。って呼んでもいいかな?///」

『いいよ。ニコ』

幸村「じゃあ、名無も俺の事を精市って呼んで。」

『えっ…』

幸村「嫌かな…?」

『えっ嫌じゃないけど…。言わなきゃダメ?』

幸村「うん。」

『えっと…精市…くん///』

幸村「ふふっ、ありがとう。ニコ」

『精市くん。1つお願いがあります!』

幸村「何かな?」

『怒ってる時にあんな態度をするのは止めて下さい。』

幸村「…はい。」

『怒ってる時は、喋りたくないかもしれないけど、あんな風に素っ気なくされたら傷つくよ!!』

幸村「うん…」

『次からは、これがやだって言って下さい。分かりましたか?』

幸村「うん、分かったよ。ごめん、名無。」

『分かってくれたなら、よし!ニコ』
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