IDOLだって楽じゃない

□プロローグ
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天屯(たかみち)華穂、14歳。

今日は中等部在学最後の文化祭。

何故か今から助っ人として我が校誇る演劇部の発表に出演する。

顧問の先生が、学生時代に演劇コンクールで日本一になったとかいう人で、指導は超一流。

助っ人を渋々引き受けた私もメキメキと上達していった。


『なんで私がソロダンスを・・・』ボソ


助っ人である私が主人公というのもおかしな話だが、もっとおかしなことがある。

【演劇部】の発表でミュージカルじみた事をやらなければいけないのだ。

セリフで歌う箇所もある。(顧問の先生は認めないが)


顧問「華穂!緊張してる?毎年手伝ってもらっちゃって悪いわねー!」


『ずっと思ってたんですけど、いっその事【ミュージカル部】にしたらいいんじゃないですか。』


顧問「何よ唐突に。ダンスと歌が嫌いなの?」


『いや・・・』


歌う事は幸い得意だし、踊る事は大好きだ。


『何故毎年私に助っ人を?』


アナウンス「まもなく演劇部の発表が始まります。席にお座り下さい。」


顧問「ほらほら!始まるわよ!主役なんだから!」


演劇部員A「華穂!頑張って!」


演劇部員B「天屯先輩の演技楽しみです!!応援してます!」


演劇部員達。余所者に主役を取られていいのか。もっと頑張れよ。


アナウンス「ただいまより、演劇部の発表を始めます。」


舞台が始まる。




私はエンターテイナー



多くのお客様に笑顔をプレゼントするのが役目。




ブーーーーーーーーーーー





無機質なブザー音が鳴り止んだ瞬間、







『今年も、やりますか』ニヤ














運命のステージが始まる。
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