IDOLだって楽じゃない
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華穂side
演劇部の発表が終わり、体育館を出ていくお客様に挨拶をしている
暑い7月でも大勢の人が来ていたようだ
「ありがとうございました!」
「またお越しください!」
「今年も良かったよ」
「演劇部に入ろうかなー」
「まずは受かってからでしょ!」
様々な声が飛び交う中、私の頭は15分後に始まる吹奏楽部の発表への準備でいっぱいだった
ああ、主役だから抜けられない・・・
吹部後輩「天屯先輩!そろそろ用意お願いします!」
『了解!今行く!』
後輩よ、ありがとう!!!
役者の列から抜け、音楽室に向かう
?「YOU!ちょっといいかい?」
知らない男性に話し掛けられた
急いでるんだけど・・・
『はい?』
?「YOUはさっきの演劇の主役だったよね?」
『観てくださったのですね、ありがとうございました!』
?「素晴らしい演技・ダンス・歌だったよ!この後時間はあるかい?」
『すみません、次の用意があるので急いでいるんです!』
?「じゃあ手短に。YOUのダンスと歌に興味を持ってね、名刺を渡すから落ち着いたら電話をくれないかい?」
『あ、分かりました!』
?「この後も頑張ってね!」
『ありがとうございました!』
あの人何だったんだろう?
って時間ヤバ!急がなきゃ!
その後は色々こなしてあっという間に1日が終わった
ガチャ
『ただいまー』
母「おかえり!1日お疲れ様!」
父「演劇部でも吹部でも大活躍だったな!」
『おーよ、やり切ったぜ』
めっちゃ疲れた
ベッドにダイブしたい
ご飯を食べてお風呂に入り一段落
『あ、電話掛けなきゃ』
かばんから昼にもらった名刺を出して電話番号を探すと、
『・・・はぁっ!?ジャニーズ事務所ぉ!?』
ってことは、あの人!!!
『おおおおおおお母さん!!!』
母「どうしたの?そんなに慌てちゃって」
『赫々云々で名刺もらった』
両親「えええええええええ!?」
母「それってスカウトされたって事じゃない!」
父「確かに素晴らしい出来栄えだったけどな」
『とりあえず電話掛けるね』
Pull・・・
?「はーい、ジャニーズ事務所です」
『昼間名刺を頂いた者なのですが、』
ジャニー「おお!YOUか!驚かせてすまなかったね!」
『あの、お話とは?』
ジャニー「昼にも言ったけど、YOUのダンスと歌にとても惹かれてね。YOUをスカウトしたいんだ!」
えええ!?スカウト!?
まって、私女だけど大丈夫なの?
『私、女ですけど大丈夫なんですか?というか突然過ぎて・・・』
ジャニー「社長の僕が良いといっているから大丈夫!そう言うと思ったから、一度事務所へ見学に来ないかい?学校帰りにでもおいでよ。」
『そうですか。分かりました。』
ジャニー「名前を聞いてもいいかい?」
『天屯華穂です』
ジャニー「じゃあ、華穂。待ってるよ。」
母「なんて言ってた?」
『一度見学に来ないかだって』
父「行きたいか?」
『中々ない機会だし、行ってみようと思ってる』
母「華穂が行きたいなら行ってらっしゃい!」
『うん!』