綾小路おちタイトル未定

□迷宮の十字路
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私は激怒した。


(返事くらいせんかいボケェッ!!)



既読がついたままで返信が返ってこないメッセージにイライラし始める。
彼と…最期に連絡をとりあったのは今日で1週間前だった。
忙しいのは分かるけど、ちょっとは連絡くれたっていいじゃん


「ねぇ…ちょっと聞いてる!?」
『はッ…はい!?』


スマホに集中していたためか、
彼女こと…佐藤美和子警部補の存在に気づかなかった。
彼女は私のふたつ上の先輩にあたる。
そして佐藤さんの後ろにひょっこりついているのは佐藤さんの相棒的存在でもあり、私の同期でもある高木。




「見に行くわよ!記者会見!!」



そういって私とと高木の腕をひっぱる佐藤さん。
その勢いは男性よりも強かった。










ガチャ
勢いよく空いたドアも、カメラのフラッシュでかき消され入ってきたことすら気づかれなかった。



「よかった!ちょうど始まった!」




私たちが入ったタイミングで、演台には警部たちがあがる。



『えーっと…日暮警部と白鳥警部。そして大阪府警から大滝警部か。











…!?!?』



大滝警部の後に続いた警部に目を開く


(あいつッ!!!!!何しとんねん!!!!!)



思わず頭を抱える。
どうして…いや、今回の事件は関西が舞台やから来てもおかしくないけど…
それなら連絡してくれてもええやん…
私のイライラはピーク間近で、
隣にいる二人は様子がおかしいことに気づきはじめる。



「そ、そういえば京都府警の綾小路警部は白鳥警部と同期だそうですね」
「えぇ、旧公家出身であだなは“おじゃる警部”ほら、左のポケット。白鳥君以上の変人ね」



…記者会見にシマリス連れてきてるんか!!
左ポケットにはひょっこり顔を出すシマリス。

相変わらず可愛いなぁ

…そうじゃなくて!

記者会見にシマリス連れてくるか、普通。
警部がそんなんでいいんかよ…
本日二度目の頭を抱える。




「…で?海月は彼と知り合いなの?」

『あぁ、あんなんですけど一応彼氏です』

「へぇそうなの…









…えぇ!?彼氏ぃ!?


佐藤さんの声が会場に響き、一瞬静まる。


『ちょっと佐藤さん声大きい!』


演台からは警部たちから冷ややかな目で見られている。特におじゃる警部…文麿さんからは睨まれている。やばいあとで怒られるやつだ。






そうです。彼は私の恋人ハンなのです。








2020.04.10
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