散歩道

□金木犀
1ページ/6ページ

あれから何度かお店にも真島さんは顔を出してくれていた。

事あるごとに真島さんは私を困らせる。
本人はふざけているのかも知れないが、変に意識をしてしまっているのか、どうも調子が狂う。


スキンシップの多さに淡い期待をしてみたりしたけど、きっと軽い気持ちで、お遊び程度なんだろう。

真島さんの住む世界なら十分にありえる事だ。

そんな事を考えながら、憂鬱なこの気分をどう紛らわせようかと携帯を見つめた。


♪〜♪〜

着信が真島からであると表示された。


「よぉ!名無しさんちゃん!今夜空いてるか?美味い焼き鳥でも食いに行かんかぁ?」


「や、焼き鳥ですか!行きたいです!」

憂鬱な気分が食欲に負けた。


「おう!じゃぁまたミレニアムタワー着いたら連絡してな〜」

電話を切ってため息が1つ。

確かに食欲には負けた。
でもお酒飲む気分でもないし、何よりこの毎月の出血が憂鬱で仕方なかった。

それでも気分転換になると思い比較的ラフな格好で家をでた。


真島さんはあいも変わらず蛇柄である。

でも今日はある意味でラフで正解だ。
側から見たらこの蛇柄と、私の服装はパンクな感じに見えるだろう。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ