散歩道

□キンセンカ
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それからすぐ横にあるベンチに腰掛けた。

「しかし今日はエライ疲れたのぅ。」

「はははは、私のせいですかね?」

「せやな。金貸しとお茶しとるわ、いきなり怒る、急に笑ったかと思たらゲームの話ししだすわで、目まぐるしい一日やったわ。」

「本当、私も慣れないことするもんじゃないです。派手に転ぶわ、真島さんに怒るわ、結局笑ってるし。あー、帰ってゲームしたくなってきた!勇者の剣抜きに旅に出ようかなー?ゲームでだけど。」

「あのなぁ、もぅこんな時間やで?ゲームせんと寝な、その綺麗な肌が荒れるで?」

な、何急に言い出すのよ。照れるじゃない!


「なんや?今度は照れとるんか?ほんま、可愛えぇやっちゃやのぅ〜♪」

「な、何いってるんですか!さぁ、帰りましょ!」

「せやな。ほな、気をつけてお城に帰るんやで?可愛い可愛いお姫様。」

低くて優しい声でそう言って私の手にキスをした。


あまりにも突然の事に、驚きと胸の高鳴りを抑えるのでボーっとしてる間に真島さんはタクシーを止めて私を押し込んだ。

「ほな、おやすみやで。」

ニヤリと微笑む真島さんを目で追いかけるも、ヒラリと手を振る姿は遠くなっていく。

車の揺れが心地良く眠りを誘う。
その眠気のままどうにか帰宅をして寝る支度を整えてて布団に潜り込み
『今日は色々困らせてごめんなさい。でも、とても楽しかったです。無事帰宅しましたので、ご報告でした!それではおやすみなさい。』

そうメールをして眠りについた。
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