その男狂犬につき。
□年の瀬
1ページ/12ページ
目覚めたくない体を起こそうと布団の中でもがく。
「あー、仕事したくない。」
それでも布団から出てみれば、昨夜の心地よい身体の痛みが訪れる。
「いたたた。こんなんで仕事になるかなぁ。あー、とにかく仕事行くかぁ」
身支度を整え頭の中を切り替えて今日も業務に励むとしますか!
今夜はゆっくりお風呂に入ってボディケアもして…
そんな事を考えながら時間が過ぎていく。
「ただいまぁ…あぁ疲れたぁー」
ドサっとソファに横たわりこのまま寝たい衝動を抑え込み、お風呂の準備をしてタバコに火を付けた。
煙を薫せながら携帯を片手にゲームの発売日のチェックをして、プレイする時間あるかな?なんて考えては、溜まっていくソフトの山を見て
「これ消化してからじゃないと駄目だな。」
と、ため息をつく。そして真島さんにメールを送る。
「明日の仕事が少し早く終わる予定!でも、明日はゲームするっ!」
そう短く言葉を送る。
すると間髪を入れずに着信。
「おいっ!なんで電話せぇへんでメールなんや!ってもう帰宅したんか?」
あぁこの声を聞くと途端に会いたくなってしまう。
「…吾朗さんの声聞いたら会いたくてなっちゃうからメールにしたんですっ!無事帰宅致しました。」
「あぁんっ?何可愛い事言っとんねん!今からそっち行ったろか?」
「やっ、だ、駄目です!今日は会うの我慢です!今夜は忙しいんです!炊事洗濯が待ってるんで駄目ですからね!」
「そんなん明日にすればええやん。ゲームは少しお預けやけどな!ニヒヒ」
「うぅ…でも、明日はゲームしたいんです!これは譲れませんっ。」
「ま、どーせ言っても聞かんやろ?」
こんな調子でしばらく会話をしているとお風呂の準備が整った。