その男狂犬につき。
□ギアチェンジ
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少しだけ気分が落ち着いて話をしていると新たなお客さんに気づいた。
…あ。
真島さん…。
みるみるとドス黒いオーラを纏い桐生さんに歩み寄ると背後から羽交い締めにするではないか。
ちょ、ちょっと、どうなってるの?
慌てて止めるママさん。
するとこちらに歩み寄って「なんや酷い顔しとるのぅ。可愛い顔が台無しやで。」と頬を撫でた。
そのままヒョイと横抱きにされる。
「ちょ・・やめて!」
そう言ってるのを無視して店を出る。
「やめて!やだ!下ろして!!!」
泣きながらジタバタする私。
雨まで降り出して涙なのか雨なのか・・・
もう、訳がわからない。
すると真島さんが不意に私を下ろして
真っ直ぐにこちらを見据えた。
「あかん…そない顔されたら我慢なんて出来ん。」
そう呟いたと同時に顔が近ずいて・・・
バチーン!
思い切り振りかぶった手は、見事なまでに真島さんの頬を捉える。
!?はぁ!?
何で唇を奪われたのか。
何が起きているのか。
この感情が何なのか。
訳がわからなくなって、思いの丈をぶちまけた。