その男狂犬につき。

□出会い
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「なぁ、チカちゃんて最近入った子か?」エリに聞いてみた。

「チカね、超レア嬢です!不定期で出勤なんで。チカが今付いたお客様、出勤すると必ず会いにきてくれてますもの。」

ふぅん…と生返事をして彼方の席に目をやる。

なんやジジイやないけ。

高い酒入れてるわけでもない。
なのに穏やかに頷きながら向けられる笑顔。

「なんや孫とジジイやないか…」

「真島さんっ!確かにそう見えますけど……ぷぷっ…」

30分程するとジジイはお会計してチカはまた、えらい騒がしいテーブルに向かう。

「うぇーい!駆けつけ1杯いただきまぁーーすぅ!」

そう言ってチカはビールをゴクゴクと飲み干す。

「なんやあの変わりっぷりは…」

あまりのギャップにポカン…としてしまう。

「ぷぷっ、真島さん早速チカに見入ってますね!ね!ね!
言ったでしょ、きっと気に入っちゃうって!」

「せ、せやなぁ…ほんま変わった女や…」

ぎこちない笑みでこちらに来たとおもったら急に真面目な顔になったり、ちょっと悪戯っぽく構った途端顔を真っ赤にしてみたり、コロコロと表情が変わる。

「エライ気にいったわぁ。なかなかオモロイ女や…」

「この後チカと飲みに行くんですけど真島さん達も行きます?あの子アフターはしないんで内緒で待ち合わせしちゃいます?」

「なんや、エリちゃん冴えとるやないけ!そらエライ楽しそうな計画になりそやなぁ。」

そう言ってエリと入念な打ち合わせを始める。
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