第五人格

□眠れないと
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※R18



その日のわたしは中々寝つけずにいた。協力狩りで誰1人飛ぶ事なく皆で生還出来た所為だろうか。飛び交う銃声と、仲間を呼ぶ声援。こっちと必死になって声を張り上げて、壁になろうと走り出して。ギリギリの所で逃げ切ったあの興奮が今も冷めないままでいた。まだ心臓がドキドキとして忙しなく跳ね回っている。


「(ね、寝れない…)」


ごろん、ごろん。何度も何度も寝返りを打った末、わたしは盛大にはあと溜息を零してベッドから起き上がる。寝れない夜は毎度、無性にナワーブくんに会いに行きたくなるから困った。ナワーブくんとはついさっき、ゲーム後におやすみなさいをして別れたばかりなのに…。部屋まで会いに行ったら迷惑かな。そんな葛藤に苛まれつつ、温かい飲み物だけでも飲みに行こうかなと言い訳をつけてベッドから抜け出した時だった。ここん、こん、と、特徴的なノック音が控えめに鳴り響いて大袈裟な程に飛び上がる。ビックリするくらい心配性なナワーブくん。夜は俺以外のやつ部屋に入れたら駄目だからなとわたしに強く言い聞かせて、2人だけの秘密のノック音を合図に決めてくれたナワーブくん。慌てて鏡の前で髪を軽く整えてから、恐る恐る部屋のドアを開けた。わたしの顔を見るなりよぉ、と、はにかみながら手を挙げたナワーブくんにつられてえへへと笑い返す。


「悪い、寝てたか?」

「ううん、大丈夫。寧ろ寝れなくて、わたしもナワーブくんの部屋に行こうかなって迷ってた所」

「ばっ、こんな夜更けに出歩くなって。危ないだろ。俺に連絡くれれば直ぐ会いに来るから」


なんて、そんな事を言ってくれるナワーブくんに嬉しくなって胸がキュンと甘く疼く。さっきとはまた別の意味でドキドキしつつ、取り敢えずナワーブくんを部屋へと通してぎこちなく背中を向けた。


「なっ、何か飲む?」


そう訊ねたわたしの問い掛けに、ナワーブくんは答える事なく。突然背後からギュっと抱き締めて来るので大きく息を吸う。「な、なわーぶ、くん」驚きながら、ゆっくりおもむろに振り向いたと同時、柔らかく唇を塞がれて一気に赤面した。


「ん、っ」


ちゅっ、ちゅうと。可愛らしく鳴るリップ音に恥ずかしくなってつい目元が赤らむ。そのまま真っ赤になった顔でじぃと、ナワーブくんを見詰めると目が合って。暫く静かに見詰めあった末、あむと唇を食べられながらそっとベッドへ押し倒された。無意識的にナワーブくんの服の裾をキツく握り締めてしまうと、ナワーブくんが艶やかな手付きでわたしの頬を撫でるので思わずピクリと反応してしまう。わたしの上に跨りながら、熱っぽい視線を降り注いでくるナワーブくんをモロ凝視してしまい下腹部がキュンとなった。余程蕩けた表情をしていたらしい。ナワーブくんがペロリと舌なめずりをしながら、わたしの耳元で低く囁く。


「はっ…その顔、反則」











ぐちゅぐちゅと、わたしの好きな所を知り尽くした指に攻め立てられて口から甘い声が漏れる。何度絶頂を迎えても止まろうとしないナワーブくんのそれは、すっかりわたしの愛液に濡れてふやけてしまっていた。必死になって声を抑えるわたしを見るのが楽しいのだろう。我慢しようと耐えるわたしの努力を崩すみたいに。ナワーブくんは意地の悪い顔をしながら指の抜き差しする速度を速めるので堪らない。


「はぅ、!っふ、うっ、あっ、ああん!」


ぎしり。ナワーブくんがわたしの上にのしかかった事によりベッドの軋む音がした。「良いのか?隣の部屋に聞こえちまうよ」と、わざとわたしの耳元で囁くその声色すら扇情的で、思わずナワーブくんの指をきゅうっと締め付ける。


「なわーぶく、も、だめっ」

「はは、まだ指だけなのにな」

「…いじわる」


余裕なナワーブくんにムっとして、煽られるがままナワーブくんの下半身へと手を伸ばした。既にガチガチで、先の方がほんの少し濡れているのに自然と吐息が漏れる。ナワーブくんも、わたしの乱れた姿を見て興奮してるんだと思うと嬉しかった。そのままズボン越しに触れてゴシゴシと扱く。途端に眉根を寄せて切なそうにするナワーブくんを見て、無意識にも内ももを擦り寄せて下唇を噛んだ。ナワーブくんにされたのと同じ様に、わたしもナワーブくんをたっぷり焦らしてお強請りさせたいのに。我慢出来ないのはわたしの方だからため息が出てしまう。

するり。

下着の中に手を滑らせて直に触れながら、わたしはもの欲しげな顔でナワーブくんに目配せをした。ごくりと固唾を呑んだナワーブくんが、優しくわたしの髪を撫でながら挿れて欲しいのと訊ねる。頬を赤らめながら、誤魔化すみたく視線を逸らして。こっくり小さく頷いた。その瞬間ぐっと両腿を掴まれて引き寄せられる。自身のそこに、ナワーブくんの熱を押し当てられたのが分かってじゅんと子宮が疼いた。


「すき」


ゆっくり、ゆっくり。わたしが痛くないように細心の注意を払いながら挿入してくれるナワーブくんに愛が溢れて、自然と言葉を紡ぎ出す。わたしが慣れてきた頃に段々と動きを速めて、律動的に動き始めたナワーブくんにキツく唇を噛み締めた。っあ、やば、気持ち…!


「んっ、んーっ!!」


必死になって抑えようとすればする程、甘い悲鳴となって静かな部屋に響き渡る。伸びて来た手にやわやわと胸を揉まれて興奮が高まった。「すきっ、すき、!あっ、あっ、ん!ナワーブくっ、すき!」うわ言の様にそう言って喘ぐわたしに、ナワーブくんもギュッと眉間へ皺を寄せながらわたしの顔の両側に手を付いて。俺も好き、と返しながら熱烈なキスを落とした。押し寄せる快楽の波に蕩けつつ、必死になって舌を絡ませナワーブくんを受け止める。その間もガツガツと気持ちいい所を攻め立てられて、わたしはキスをしたままビクビクと震えて達してしまった。


「はっ、あ…」


額に薄らと汗を浮かべて、乱れる呼吸を整えるわたし。を、余裕たっぷりな表情で見下ろしてくるナワーブくん。その伏し目がちな視線が既に色っぽすぎて、呼吸が詰まりそうになる。すっかり紅潮してしまった頬を焦らす様に撫ぜながら、ナワーブくんがポツリと甘く囁いた。


「…いっぱい可愛がってやるからな」


低い声色にビリビリと痺れて、またもや子宮の奥がキュンと鳴いた。あぁ、今夜は寝れそうにないかもしれない。



20230303

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