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□子守唄
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ゆーりサイド
♪〜♪〜♪〜
爽やかで力強くて、それでいて包み込んでくれるように優しい声色。
ハッキリと聞こえるのに、その歌声をかき消さないギターの音色。
ベッドの中の私と、横にいる彩ちゃん。
時刻は夜11時。
そろそろ寝よか、そう言って2人でベッドへ入ったけれど、寝つきがいいとは言えない私は寝れなくて。
それに気付いた彩ちゃんが起きて、近くに立てかけられたギターを持ってきた。
あ…、私が好きな曲。
いや、彩ちゃんの歌ならなんでも好きだけど、彩ちゃんが初めて、山本彩名義で世に出したアルバムの中で、一際引き立っていた曲。
月影
あれ、でもいつもとテンポが違う。
元々早いテンポの曲じゃないけど、もっとゆっくり。
…こっち、向いてくれた。
ギターを弾きながらする伏し目。
繊細そうで、目が離せなくなっていたら、隣で寝転がる私に優しく微笑んでくれた。
夢「落ち着く…さーかちゃん。」
不思議。
あなたが一曲歌っただけ。
それなのにこんなに落ち着けて、瞼が重くなってきた。
彩「ゆっくり眠り?おやすみゆーり。」