さやゆーりの毎日。
□好きがいっぱい。
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『はい、野菜炒め出来たよ。』
「お〜、朝から野菜炒めもあるなんて豪華だね。」
『うん…』
今日は朝ごはんを彩さんが作ってくれた。
でも、まだ怖い夢を引きずってるみたいで元気がない…
この後は仕事に行くし、怪我しても駄目やからちょっと心配やなぁ。
夢の中の私はなんで出て行ったんやろ?
こんな愛おしい人を置いて、ほんまにあほちゃうんか!!
「彩さん、聞いてもいい?」
『ん?なにを?』
「夢のこと…」
『あぁ、ええよ。』
ちょっと声が低くなって、嫌なんやろうって思ったけど気になったから聞く。
「夢の中の私はなんで出て行ったの?覚えてる?」
『うん…』
「知りたいな。」
すると、彩さんはおそるおそる口を開いた。
『えっとな、夢の中でソファーでゆーりとイチャイチャしててん…』
「うん…ふふっ、どんな?」
『そこ聞く?ちゅーしたり、頭撫でてもらったり…』
「あー、もういいよ!」
自分が夢の中で、デレデレしながら今彩さんが言ってることをしてるのが目に見えて…恥ずかしくなってしまった。
それにちょっと嫉妬もする。
『そっか…』
「で、そんなんやのになんで出て行くん?」
すると、また彩さんは泣きそうな顔をした…
『なんかな、私ゆーりにもたれて安心してたのに急に起き上がって…出て行くって言ってん。』
「うん、それから?」
『でな、もう…いつも野菜炒めの具が大きいし…夜は寝る前にお風呂に入る前に寝落ちするから出ていくって、それを言ってからほんまに出ていってん…』
「ははっ、なにその理由…」
『やから、今日は野菜炒めの具大きくないやろ?』
「あー、うん…」
別にそれは私は気にしたことはない。
だって、苦手な料理を彩さんが頑張って作ってくれてるんやもん…贅沢にそんなこと絶対言わない。
『まだ大きかった?』
今日はでも、正直…やり過ぎでしょってくらいにみじん切りや…
「私はそんなこと気にしたことないよ?彩さんが頑張って作ってくれてるんやもん、贅沢言わない。」
『そんなこと言って、ある日突然言うかもしれんやん…』
「大丈夫だよ、絶対言わない。」
『そっか、良かった…』
「むしろ、そんな具が大きいからとか寝落ちするからとかで家出ることなんかないよ。大丈夫。」
『ゆーり…』
「やから、そんな夢にとらわれないで?ね?」
『うん、分かった…ありがとう!』
「食べちゃおっか!」
『そうやな、冷めるし。』
それからやっと私たちは普通にご飯を食べ始めた。
彩さんも元気になってくれたみたいで、笑顔が戻ってきた。
『行ってきまーす!』
「いってらっしゃい!帰りは同じくらいかな〜。」
『うん、多分そうやと思うで!』
「気をつけてね!」
『ゆーりも、気をつけて!』
彩さんは仕事へ行き、私も食器を洗ってから出掛けた。
夜…
家の鍵を開けてると、ちょうど彩さんも帰って来て夜ご飯も食べてゆっくりしてた。
「ん?あれ…寝てるん。」
私が食器を洗い終わると、ソファーにうつ伏せでどうやら寝てる彩さん。
今日もきっと忙しかったんやろうな…
夢で寝落ちも理由で出て行ったって彩さんは泣いたのに…
こればかりは無理なんやな。
「お〜い、彩さん?」
トントン…
『にゅう〜…ゆーり、しゃん、、』
「ははっ、今度は良い夢みてるのかな。」
って、そんな場合やない…
お風呂入ってもらわないと。
「ほら、彩ちゃん〜お風呂でちゅよ〜…」
ちょっとふざけてみた。
『なにしてるん。』
「えっ…」
『ふふっ、可愛い〜ゆーり…』
ぎゅっ、、
「ちょっと、おわっ!」
どさんっ。
『痛た…』
私が1人ふざけてるとその間に彩さんは目を覚ましてたらしく…一瞬冷たい目で見られた。
そんな私を可愛いっと言って抱きついて来たのは良いものの、バランスを崩した私のせいでソファーから2人で転けた。
私らなにやってるんやろ…
「ごめん、大丈夫?」
『うん…ゆーりも大丈夫?』
「大丈夫だよ。」
『さっきのゆーり可愛かったで?』
「う、うるさい…な。彩さんの方が可愛かったし。」
『ふふっ、なんでもええや…ゆーりたん。』
「ん?」
『ずっと一緒やで…』
「うん、当たり前だよ?」
すると、彩さんは嬉しそうに笑う。
その顔がまた愛おしくて…可愛い。
ほんまに天然タラシや。