小説

□君がいるから幸せ
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「まぁまー、まぁまー…どぉこ?」



『優くん?どしたん。目が覚めた?』



「あい…」




朝起きて、ご飯を作ってると2歳の息子優希が起きてきた。




『まだ早いけど…お布団入る?』



あんまり早く起きすぎても、昼ご飯くらいに眠たくなってしまうから…




「ううん、ねなぃ…」



『そっか、じゃあジュースでも飲んで待っててくれる?』



「やぁや。」



はぁ、始まった…


2歳なった優希は待ってが効かず、そばにいないと怒る。





『でも、ママは優くんとかみんなのご飯を作らなあかんねん…分からんかな?』



「やぁや。」



『そっか…じゃあ、ママの隣におって。』




仕方なく、キッチンに連れて行き…足元で遊ばせることにした。


危ないからしたくないねんけど、泣き出したらみんなをさらに起こすし…そっちの方が恐ろしい。




優希はおっとりしてて大人しい男の子やけど、言い出したら聞かなくて案外頑固で通らなければいつまででも泣く。


でも、ニコニコしてる時はもう可愛くて可愛くて…たまらない。
こうやって、甘えん坊なところもまた可愛い。


「みてみてぇ〜、これねゆうくんがちゅくったよぉ。」



『ふふっ、可愛いな?』


「あい!」




家族の中では私に似て朝に強く、早起きをするのは得意や。


まぁ、お昼に眠たくなるねんけど…





『よし、朝ごはん出来たからパパたち起こしに行こうか?』




「やぁ、ゆうくんここいるぅ。」



『なんでよ…一緒に行こうや。』



「やぁや〜。」




まぁ、優希が嫌がるのも分からないことはない。



きっとうるさいのが嫌なんや…









がちゃっ。





『朝だよ、起きてね〜。』



「……」



「……」




『はぁ、優しくしたらこれやねんな。』




寝ている人たちに声を掛けても、反応すらない。



家族やのに、なんでこう違うんやろうなぁ…






『ほら、起きて?せっかく日曜なんやから…でもパパはお仕事やろ?』




すると…





「ふぁあ〜。俺だけ仕事かよ…」



『おはよ、仕方ないやろ?休み取れんかったやから…ももか?起きてよ。』




「分かっとるって…そこのお嬢も起こさなあかんやろ?」



『はぁ、そうやねん…ももか起こしてや。』



「なんで俺やねん…嫌やわ、機嫌損ねるから。」




そう言うと、百花は寝室から出て行った。



こんなにもみんなが嫌がってるのは、家族で1番寝起きが悪い長女を起こすことだ…



でも、私は母親やから逃げられへん。











『美優紀、起きて?朝やからご飯食べよう。』




「………」




『おーい、みんな起きとるで?』



起こそうと掛け布団をめくる…



なるべく優しく優しく怒らないようにした。





「んぅ〜ん!!」



『おはよう、ご飯食べよう?優希も起きてるよ。』



「やぁあああ!!うわぁあああん!!」



『なにも、泣かんでもええやん…』



でも、いっつもこんな感じや。



この子は2歳の娘の美優紀。


優希の双子の姉にあたる…



2人は男と女の一卵性の双子。




「みゆちゃ、ねむいぃぃ〜!!」


『ふふっ、はいはい…おいで?』



「うぅ〜…」



寝起きは百花に似てるのか機嫌が悪くて、なかなか起きず毎日起こされると泣いている。
こうやって抱っこされると落ち着くのが早い気がする…


2歳になってもまだまだ手のかかる赤ちゃんや。


でも大変やけど、可愛いから…そんな早くは大きくならんでもええかなって思う。
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