きみに、一輪の愛を…

□Episode5
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退院してからもしばらくは学校に行けない日が続いた。




でも、全然…家にいるだけで気分が違うんだな…夢莉にもいつでも会えるし。









『はぁ…ゔぅっ、、、』




今日は治療とリハビリどっちも重なってる日やったからかなり疲れてしまった。





副作用も疲れてるといつもより出る気がする…少し油断して吐き気がきてしまい枕元にある洗面器に吐いてた。





がちゃっ。




『げほっ、、げほっ、!!』






「ただいま、さや…大丈夫?」




『うんっ、、ゔぅっ…うぇ…げほぉっ、、』





そしたらタイミング悪く夢莉が帰ってくる。



具合が悪いところ本当は見せたくないのに…



「話さなくていいよ、ほら…」




そう言って、優しいからカバン置いてすぐに背中をさすってくれる…夢莉に心配されるの私好きやないのに。

でも、いつもそういう時にそばに居てくれようとしてくれるから…そんなこと言えない。



『げほっ、げほっ、、はぁ…今日は、ちょっと…ハードやってん、、あははっ…ゔぅっ』






なんともないように話したくても吐き気がきて、すぐ吐いちゃって話せない…





「やから、話さんでええから…でも頑張ったんやね今日も。」




吐き気が止まらなくてしばらく吐くと、いつも通りすぐに寝てしまった…



かなりこれで体力消耗する。




それで、大体この後に高熱が出るんだよな。












『はぁ…はぁ…』




「さや…?しんどい?」




『ん、…ちょっとだけ。』



「分かった、母さん呼んでくる一応。」




すると、すぐに夢莉は宿題してたのにしんどくて息があがってるのにもすぐに気付いて下に行った。







私も夢莉の変化にすぐに気付いてるつもりやけど、夢莉もいつも気づいてくれる。





「彩?大丈夫?」




するとすぐにお母さんがタオルとか持って上がってきてくれた。





『うん…多分、熱がある…』



「やっぱりリハビリの後に治療は体力的にもきついよなぁ。先生と相談しよっか。」




そう言いながら、お母さんは冷たいタオルをおでこに置いて体も少し拭いてくれた。





『大丈夫や、これぐらい、いつもやん…』





「ん〜、まぁそうやけど…今日の夜は母さんがここで寝るから夢莉は自分の部屋で寝なさい。」




「やだよ。」





「母さんがおった方がなんかあったらすぐ気づけるでしょ?」





私もお母さんの意見に賛成やった、明日も夢莉は学校やし…


でも、しんどくて話す気にもならなかった。





「すぐ気付いたやん、熱あるの。ちゃんとタオルも変えるし水も定期的に飲んでもらうから大丈夫や。」





「でも、ねぇ…」




「俺はさやから離れないから。」




そう言って、また夢莉は宿題を始めた。





「母さんがそんなにここで寝たいならさやを下に降ろせば。」




「もう!本当に聞き分けの悪い子、分かったから彩のことじゃあよろしくね。」






夢莉に負けてお母さんは降りて行った。


でも、なんでか私はそれを聞きながら少し嬉しくなってる…ほんとに矛盾してるや。






『ゆーちゃん…』




「ん?どうした?」




『ありがと…』




「あははっ、こちらこそ。さやと同じ部屋やと部屋に会いに行かなくても良いからね〜。」




今の私にはなんだかんだで、夢莉がそばにいてくれるのが一番心が落ち着く…
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