はちみつレモン。
□Episode8
1ページ/4ページ
そこから私はずっと上の空やった。
何食べたかもあんまり覚えてない、百花が話題を振ってくれてもちゃんと返事できなかったかも。
やからか、ご飯や食べるとすぐに家に帰った…
がちゃっ。
「なぁ、もしかしてさっきの友達って彩の元彼やったりして〜」
『は、はっ?そんなわけないやろ…びっくりしただけや。』
そんなことを言われてかなり焦った。
家に帰った時点でやばいってちょっと思って我に返ってたから…
「ふーん、あんな気弱そうでうじうじしてる男やもんな。」
『ちょっ、ちょっと!!ゆーりは…そんな…』
夢莉のこと悪く言われて初めて私が変なことに気づいた。
「友達でそんな反応するか?」
『…っ、そんなん分からんやん!でもさ、ゆーりはほんまにそんな男やないで?友達のこと悪く言わんでや。』
「何年もあってないのに、友達にしてはそっけなかったな?」
『びっくりし過ぎて動揺してたんやって、もう!!この話終わり!!お風呂入ってくる。』
都合が悪くなったから、、そのままお風呂に行った。
『はぁ…でも、なんで東京にいるんやろ?』
ため息がその後も止まらなくて、会えるような生活してへんのに…
名刺まで渡しちゃって、どうしよう。
って、思ってもあれを見たら引くよな。
でも、もう会うことないやろ。
の、繰り返しで…
『はぁ…』
もうなんとも思ってないって、言い聞かせてもやっぱりモヤモヤが止まらなくて…
会いたかったけど1番会いたくなかった…
でも、元気そうで良かった。
変な別れ方しちゃって、一方的やったから傷つけてあのあと夢莉がぐれてたらどうしようとか…あるわけないと思うけど心配してたから。
そんなことを考えてると…
『やばい…のぼせた…』
お湯に浸かってるのに、長時間入り過ぎて頭痛と吐き気でまた我にかえりました。
すると、頭もぼーっとし始めて…
『やばいっ…出ないと、、、』
なんとかお風呂から這い上がるように出て、脱衣所まで這っていった。
「彩?まだ出んのか?」
流石に時間が経ち過ぎてて、心配してくれたみたいで百花が脱衣所の外で呼んだ。
『ももか…助けて…』
やったのことでパジャマに着替えて助けを求めた。
ガラ…
「どうした?大丈夫か?」
『のぼせた…』
「ったく、何やってんねん…ほんまに彩は俺がおらんとあかんのやから。」
この時は何にも言えなかったけど、
私はほんまに百花がおらんとあかんねんで?
やから、奥さんのところに帰ってほしくもない、1日やって会わへんなんて耐えられへんねんで?ほんまは…
夢莉のことがあって、色々思い出してたけど…でも、今大切なのは百花だけ。
「大丈夫か?ほら水やで。」
『ありがとう…』
ベットに横にならせてもらって、水も飲んでなんとか落ち着いてきた。
『もう大丈夫や、ありがとう。』
「いや、ええねんけどさ…1人の時にこうなったらほんまに命に関わるんやから長風呂せんようするんやで。」
『………』
「どうした?」
『ずっと一緒いたい…』
「彩…」
『帰ってほしくない。』
夢莉のことも、愛してたけど…
それはもう過去の話で、私には百花が今は1番必要で愛してる。
この人が居なかったらあの日からどうなってたか…
恩もあるけど、今はやっぱりずっと一緒に居たいと思うのは百花だけや…
妻子持ちで2人目も、もうすぐ生まれる人やのにな。
でもどうにもならへんくらい愛してる。
「なんか変やと思ったんや…地元の友達に会ったからか?」
『ごめん…』
「別に謝ることないで?彩がこっちに出てきた理由も大変やったみたいやし、誰でも何かあるもんや。」
『うん…』
あえて、百花は夢莉の存在をそれ以上聞かなかった。
「よし、今週は彩との時間を優先するで。」
『えっ?』
「来週から嫁が臨月やから仕事以外に外出しとったら怪しまれるからな?」
そう、いつだってやっぱり奥さん優先なんや…
でも、百花なりに忙しい時間の中で私のことを大切に思ってくれてることも分かってる。
『じゃあ、一週間だけ本当の夫婦みたいに暮らせるんや。』
「あははっ、夫婦か〜…まあそうやな?」
そう笑ってる百花と私はいつか本当の夫婦になりたいって、願う。
叶うことなんてあるんやろうかって、心の何処かでは思ってるのに…