はちみつレモン。

□Episode4
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病院からの帰り道、僕は由依さんと話した。





「由依さんは彩さんに聞きましたか?」




「ううん、何にも。」




「聞かないんですか?」





「本人が言わんってことは私には言いたくないんやろう。」




「そんなことは無いと思います!話しにくいだけで…」





「彩は昔からやねん、私がいじめられてたり悩んでたりしたらすぐ察して動いてくれてた…私はそれがすごい支えになってた。」




「由依さん…」





「でも、彩は自分のことはそっとしておいて欲しいタイプやねん。本当にあかんかったら言ってくるやろうし…夢莉くんに言ってるんやろう?やから私はまだ必要やないってことやと思ってる。」




「どうしても言えない時もあると思いますよ?助けて欲しくても心配かけたくなくて…由依さんが言ってることばっかりやないと思います。」




僕は由依さんの言ってることも正しいと思った、でも…その考え方は今までの話であって今回のことは本当に大変なことやから。

「…私と彩はそんな浅い仲やないねんで?夢莉くん、幼馴染みなんやから大丈夫や。」






そう言って、僕より少し前にある歩き始めた由依さんはどこか自分にそう言い聞かせてるようで…悲しげに見えた。

















それからまた彩さんとはちょくちょくと連絡を取って、あの後も一回だけお見舞いく程で退院した。










その2ヶ月後だった。







『お父さん帰ってきてん。』





「えっ!そうなの?!」




『うん、お金を借りるあてを探してたみたいで』




「じゃあ、もう彩さんが無理することはないんだね?」




『バイトはまぁ学費を今から貯めるってことで続けるけど夜中のと早朝はしなくて良くなったよ。』





「よかったぁ…」





『ふふっ、心配かけてごめんなさい。』




「ううん、何も出来なかったけど良かったよ。」





その話を聞いて僕は一安心で、すごく嬉しかった。





『やから、夢莉の勉強も見てあげられるから受験勉強頑張ろうな?』




「はい!よろしくお願いします!」




『あははっ!!』






またいつもの彩さんに戻ってくれて、僕は安心して気を抜いてた。




「由依さんにも言ったの?」





『え?あー、でも由依には家のことは言ってへんしな…心配かけてごめんって謝ったけど。』





「なんで言わないの?あまり顔に出さないタイプなんやと思うけど、かなり心配してたと思うよ。」





『やっぱりさ…心配かけたくないし、ゆーりには言っちゃったから由依はせめて心配かけないようにしようって思っててん。』




「そうやったんや…」





『もしかして言った?』


「ううん、言ってないよ。そんな軽々しく言う内容やないし…彩さんが言ってないから。」






『そっか、ありがとう。』







彩さんは本当に由依さんが大切で僕とはまた違う理由で言わなかったみたいやけど、由依さんの…あの寂しそうな表情が僕の頭にはまだ残ってる。
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