はちみつレモン。
□Episode1
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僕の初恋は本当にはちみつレモンみたいだった…
甘くて、でも切なく酸っぱい。
甘いのと酸っぱいを同時に味わせてくれたから…
僕の初恋は一方的な一目惚れだった。
彼女は何かの部活に入ってるのか、外周をしてて…僕は違う高校やったけど彼女の高校の近くに家があるからよく見かけてた。
「はぁ〜!もう無理!!」
『ほら頑張って!あと少しやで!!』
「なんで彩はいつもそんなに平気やねん!」
『なんでもな、楽しむことが大切やねんで!ほら喋ってたら余計にしんどいで〜。』
そう言って、もう1人とは走る量も違うの?って思うほど彼女だけ元気で…
まるで晴れ渡る空みたいな笑顔で走って行った。
その笑顔に僕は一瞬で落ちた…
彩さんって言うんや。
高校も下の名前も分かったけど、同い年やないかな?もしかしたら同い年かもしれないけど…
僕の彼女になって欲しい、って自分の大胆な考えに自分でびっくりするぐらいの恋やった。
告白されたこともしたこともないのに…
ずっと彼女のことが頭から離れなくて、彼女を見たくてわざと高校の近くを通る。
見れば見るほど、夢中になってく僕はある日…これからの人生を変えることになる行事を知った。
「文化祭…」
チラシがポストに入ってて、他校でも全然参加しても大丈夫らしい…
これは行くしかないし、彼女と知り合える最後のチャンスだと思う…
またまた自分の行動力に驚きながら、友達と遊びに行くこともほぼしない僕が1人で難波高校の文化祭に参加した。