パパがママに恋に落ちて。
□舞い降りた試練?
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『朱里、帰るよ〜?』
診察が終わってから、私は朱里を迎えにきた。
熱がやっぱりまだ高いのかなぁ…泣いて起きることなくぐっすり寝てたらしい。
「すぅZzz」
『ふぅ、…』
ふらっ、がたんっ!!
「彩!!」
『あ、ごめん…』
「大丈夫?気分悪いんやろ?」
朱里を起こそうとしたら急に立ち眩みに似たのが来て、倒れそうになって近くの椅子にぶつかった…
山田がやっぱり帰るところまで見送ると言ってそばに居てくれたから支えてもらったけど。
『ううん…はぁ、大丈夫…』
とは言つつ、立ってられないくらい気持ち悪くなってきて支えてもらってたけど座り込んでしまった。
「彩、無理したらあかんってさっき言ったばかりやろ?」
目眩もして、なんか話してる場合やなくなってきたかも…
『うん…はぁ、はぁ、、、』
ーーー
「ちょっと、一緒にベットに連れて行ってくれる?」
彩が急に気分が悪くなったみたいで、とりあえず看護師に手伝ってもらって空いてるベットに横にならせることにした。
「大丈夫?点滴を一応しておこうな?」
よっぽど気分が悪いみたいで、彩は目を強く閉じてた…
この子は妊娠すると…もともとそこまで血が少ないわけでもないのに、貧血が酷くなる体質みたいや。
『ゆーり…』
「ん?ゆーりくん?」
『連絡…せんで…』
「あ、うん…」
でも、連絡せな車もあるけど運転しては帰らせれへんのになぁ。
まあ、私が送ってもええんやけど。
それから1時間近くして点滴が終わった…
朱里も寝たからか機嫌よく起きて、熱も下がってた。
『んぅう…』
「あ、彩?大丈夫?」
『山田…ごめんな、迷惑かけてしもうて。』
「別に私には迷惑かけても大丈夫なんやで?医者やし、体調面は見てあげれるんやから。」
『ありがとう…そろそろ帰るわ。』
「送っていくで。」
『ううん、車あるから…』
彩は朱里が生まれてから車を買ったらしく、移動手段は出来たものの…1人では絶対に帰らせれへん。
「悪いけど、それはあかんねん。」
『大丈夫やって、もう治ったし…』
「あかん!なんがあったらや遅いんやで?朱里もおるしあんたも妊婦なんやから何が起こるか分からへんやろ。」
『……』
「車はさ、後で取りに来たらええやん?な?送ってあげるから。」
『うん…でも、…』
「分かった、なら私が車運転してあげるから。」
『え、山田が帰れんやん。』
「タクシーで帰れるやろ?」
『あ、うん…ごめんなさい。』
「ふふっ、ええんやで?」
たぶん、車で帰れへんほどやったって夢莉くんに言うとすごく心配させるし迷惑かけたくないんやなって。
でも、まあ結局は同じなんやけど…彩の気持ちわからん事もない。