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□緩む頬。
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「彩ちゃん〜、きーたーよぉ?」



朝、私はいつも彼女を迎えに来る…




大好きな大好きな、彩ちゃん。











私とはタイプが違って、クールで綺麗な子や。



でもって、成績優秀やし性格も良いしなんでも出来て…完璧超人。





と、言われてるけど…





私の前では案外抜けてて、それに落ち込みやすくて泣き顔を見せてくれる。




そんな彩ちゃんを愛してる。











「あれ、どしたんやろ…出てこんやん。」





時間はいつもの約束の時間やのに、出てこない。



まだいってへんと思うのにな…





すると、、、





がちゃっ。






「あ、彩ちゃんおは…」




ばさんっ!!




「さ、彩ちゃん!?」




『みゆ…き…』



出て来て、すぐに彩ちゃんは思い切り私に倒れて来た。


なんとか受け止めれたけど…かなりしんどそうや。






『頭が…ふわふわするねん、、、』




「顔色めっちゃ悪いやんか、無理したらあかんよ彩ちゃん…」





彩ちゃんは体が強そうに見えて、私より体調を崩すことが多い。




すぐに無理するからこうやって限界を越して、倒れるんや…






『だ、大丈夫や…』




「大丈夫やないやろ、休まなあかんよ!」




そう言って、彩ちゃんを説得する。



熱はなさそうやけど、貧血なんかな…?顔が真っ青や。




『今日は休めへんねん、』




「なんでなん?」





『テスト…近いやん、、』



「あー、確かにもうすぐテストやったな。」




でも、こんなフラフラでどうやって行くんやろ。





『ちょっとこのまま休ませて…くれへん?』




「え?まぁ、ええけど…」





そう言って、少し体制を変えてあげて抱きしめてあげた。





しばらく経つと…





『ありがとう、もう大丈夫や…』




そう言って、私から離れる彩ちゃん…

まだ顔色も変わってへんし、フラフラやのに歩き始めた。





大丈夫なん?ほんまに…





そう思いながらも、止めることは出来ずに話すのも辛いのかな…いつもたくさんお喋りしながら歩いてる通学路も黙って学校に行った。





「彩ちゃん、ほんまに大丈夫なん?」




『うん、大丈夫や…ごめんな?朝は驚かせて。』





朝のホームルームが終わってから、さっきよりはマシになったのか…笑顔が少し戻った。





「それは、ええねんけどさ…熱はないん?貧血?」




『うん、今日はちょっと起きた時からおかしかってん…けど!大丈夫やから!』





「うーん…」



まぁ、本人がそう言うなら大丈夫かなって思いながら1日過ごしてた…






でも、やっぱり大丈夫なんかやなかった。






午後、体育が終わってから…







『はぁっ…はぁっ…』






着替えてから、教室に戻ると後ろの黒板のところで棚にもたれて辛そうにしてる彩ちゃんに気付いた…





「彩ちゃん…?!どしたん…」




『みゆ…き…ぃ』




声も絞り出すような感じで、汗をたくさんかいてる…



これはただ事やないって、察した。



「しんどいん?保健室行った方がええよ…」




『はぁっ、はぁっ…ちょっ、と、もう動けへん…』





どさんっ!!





「彩ちゃん!!しっかりしてや!!」





いきなりその場に倒れてしまった彩ちゃん、私が声を掛けても反応がなくて…


慌てておぶって保健室へ連れて行った。
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