さやゆーりの毎日。

□おちょうしもの
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『くぅ〜!!』




「彩ちゃん?無理したらだめだよ。」




現在、彩さんは調子に乗って苦手なお酒を飲みまくってます。




少し前までは熱を出して点滴までするはめになったのに…



元気になるとすぐ調子に乗るんやから。





ほんとに、年上やのに…




お調子者で、末っ子で、甘えん坊で、可愛くて。













好きなんです。






すぐ甘やかす私も悪いんやけど、でも…酎ハイはいくら唯一飲めるお酒って言っても限度がある。






そのうち痛い目にあうんやから。







「ほら、もう終わりや。」




『えぇ〜! 嫌やぁ。』






「ほんま、彩ちょっと飲みすぎや。」




「もう帰って寝たほうがええな。」





今日はNMB卒業生の先輩方も含めて、菜々さん達と宅飲みをしてる。




って言っても私はジュースなんですけどね。




やから、彩さんは私も呑めないのもあり苦手なのもありお家では全くお酒を飲まないから…


こういう時にすぐに酔っちゃって、ベロベロになる。







ぎゅぅ、、、




『ゆーり〜。』




いきなりみんなの前で抱きついてくる。




今日いるのは、菜々さん、りぽぽさん、アカリンさん…で、私と彩さん。




たこ焼きパーティーしながら皆さん呑んでる。








「な、なんですか…」




「ふふっ、彩が甘えん坊になっとる。」




りぽぽさんは、微笑しそうに笑う。




「最近いっつもくっついてるで?」




あかりんさんが言う。





「彩も甘えられる相手が見つかって良かったよ。」




菜々さんはお母さんかっ!と思うほど優しく言った。





『なぁ、ぎゅっしてや…ゆーり〜!!』




「もう、ちょっとみなさんいるんやから!」




『ふふ〜ぅ、ええやん!じゃあ、ちゅーっちて?』





酔い過ぎて、滑舌も悪くなってる。


はぁ、可愛いけど…破壊的に。



でも恥ずかしい。私はどうしても人の目が気になるんや。







『ゆーり〜!』




「彩は、私らの存在もう忘れてるな?」







これはもうだめだ。




「彩さん、帰ろうか。」




『え〜…』



「帰ろう?」




私が立ち上がり、手を差し出すとその手を握りながら嫌そうにする。



でも、ちゃんと手はぎゅっと握って小さい子みたいで可愛い。





『チューは?』




「しないよ。」



『うぅ…』




「え、泣きそうやん。」



「ほんまや〜。」





「こんなん初めて見たかも。」







確かに口をビレ口にして、泣きそうな風にしてるけど…嘘泣きや。



たぶん泣く気なんてない。




彩ちゃんの甘えの一種です。





でも、3人にその姿を眺められてるがなんか居心地が悪かった…





「あとでね、ほら…帰るよぉ。」




『じゃあ、ぎゅっして。むぅ。』




彩さんはそう言って、拗ねた顔をする。



ほんまに可愛いんやけど、みんなに見せたくないのが勝つ…





「わかった、それも帰ったらね?おんぶしてあげるから帰ろうねぇ。」





『動けないぃ…』




「もう、ほんとに。」





彩さんは酔ってるから眠さもあってか、寝転んだ…




でも、私は慣れてるよ。





「よいしょっと…それでは!お邪魔しました。」





「ゆーりちゃん、彩だけでも泊まってく?大変やろ。」




菜々さんは気を遣って言ってくれたんやけど、悪いけどそんなことするわけない。




私の彩さんやから責任持って連れて帰ります。







「あ、大丈夫です!慣れっこなんで。」




「そ、そうか…気をつけてな!」




「ふふっ、ゆーりちゃんお母さんやん。」





3人に見送られながら、私たちは先に家に帰った。
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