さやゆーりの毎日。

□口移し
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『んー、ゆーりたん。』



「はい〜?」




今日は久しぶりの2人揃ってのお休み。



私は彩さんのお昼ご飯を作ってたら、甘えた声で呼ばれた。




『来てん。』



「今は手が離せません。」



『むぅ、もう良いよーだっ!!』



すると、ほんまに小さい子みたいに拗ねてしまった。




どうやら今日は調子が悪いみたいやな…
オムレツ作ったけど、お粥が良かったかな?



「彩さん?」



『………』




話しかけてもソファーにうつ伏せになって拗ねてる、、





「彩さん?どうしたの。」



『………』




でも、反応がなくて無理矢理身体ごと上に向かせた。




「大丈夫?」



『うん…』



仰向けにすると、ちらっとこっちを見た彩さんの顔を見ると真っ赤だった。



「熱あるやん…」



『頭が痛い。』



「それならちゃんと言わんと。」



『やから呼んだやん…』


「ははっ、そっか…ごめんごめん。」



ちょっと頬膨らませて、拗ねて言うのが可愛くて…笑ってしまった。


すると、彩さんもつられて笑ってた。








ピピピッ…


「んぅ、高いな…明日仕事だよね。」



『下がるって、大丈夫や…』




なんと、ソファーでそのまま熱を測ると39.1度もあった。


明日は仕事で彩さんはお家にも帰ってこないくらい遠くに行くのに…




こんなに高い熱でしんどいはずやのに、仕事を休むことは考えないみたい。


プロ意識が強いというかストイック過ぎるというか…無理しすぎや。








お布団に連れて行き、寝かせてあげることにした。



「疲れが出たんだね。」



『別に疲れてへんもん…』



「いっつも寝落ちしてるやん。」




『それは…眠たいから…』




普通に疲れてるって、認めたらいいのに…ムキになって言い返してくる。

それほど彩さんは自分の仕事に誇りを持ってて、楽しんでるんやなって思う。

そこは本当に尊敬するな。




「まぁ、なんでもいいんですけど…ゆっくり休んでください。お粥作ってくるから。」




私はそう言って、立ち上がった。



『あ、待って…。』



「ん?」



『お粥いらんよ…』




「なんでよ、食べんとあかん。」



『いらんもん。』



「なんで?」




すると…




『ゆーり…来て。』



また駄々をこねるつもりかしら。




ぎゅっ、、、



『ゆーり…が、欲しいな。』




「彩さん…」




『キスして…?』



私の腕をぎゅっと掴んで引き寄せ…
熱があるから赤い顔して、目がとろんってしてる。
涙目にもなってて、それが余計に私をそそった。




『あかんの…?』


「いいよ。」





ちゅっ、、、





『んぅっ…』




病人相手に本気で深く口づけしてしまった。

「はぁあっ…」



『はぁ、はぁ…ふふっ。』




「ごめん、しんどかったね…」



そう言って、赤く染まった頬を触った後に頭を撫でた…


彩さんの顔がさっきより熱がある顔になった気がする。




「大丈夫?」



『うん…なんか、な、ゆーりとキスしたら身体の中まで熱くなって変な気分になるねん。』



「ふふっ、それ大丈夫なの?」



『大丈夫や、死んだことないし…なんか気持ちいいし。』



なんやろう、少し微笑みながら笑う彩さんが色っぽくて…


この頃、またぐんっと…大人の色気に溢れてる気がする。




「死んだことないしって…」



『だって、ゆーりと居ると死んじゃうんかと思うくらい…動悸うつし、身体が熱くなる。』




「ふふっ、死んだらだめだよ?あと…私以外にその顔見せたらあかん。」




『見せへんよ、ゆーりだけや…』



このままやと理性を失って、
こう見えて高熱の彼女を襲いそうやから…そろそろ離れよう。




「オムレツは?たべれる?」



『うん…食べる、あっ、ゆーりが食べさせてくれるなら。』



自然にあざといところもあるから、常にドキドキさせられる。



「分かったよ、持ってくるね…?」
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