きみに、一輪の愛を…

□Episode10
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「さや、体育は休むんやで?」



『分かってるって。』




「ふふっ、ほんまに心配症やなぁもう。」




体育で女子が着替えに行く時に、夢莉がそう言ってきた。



言われんでもその気やったし。





「やって、体育しそうな勢いやから。」



『しないよって、そんなに体力戻ってへんもん。』




「そっかそっか、なら良いや…」




私が山田とずーっと永遠に話してるから、少し嫉妬したんかな?



なんて、少し思ってた。





「夢莉くんは彩のことが大切やから言ってるんやん。」




『分かってるけど、ちょっと度が超えてる時があんねん。』




「あはは!確かに。」





『でも、それがゆーちゃんやもんね?』



「友達の前でゆーちゃんって呼ぶな。」




「ええやん、ゆーちゃんって可愛い。」



『嫌なんやって。』



「山田さんは男やないから分からんねん、男はこういうの恥ずかしいねん。」




『分かったから、ほら教室戻って着替えんと遅れるで。』



「あ、うん…」




そう言うとやっとエレベータ前までついてきたけど教室に戻っていった。



「可愛すぎやろ、夢莉くん。」



『そう?』



「彩が大好きなのもろだしやし。」



『ふふっ、それは感じてる。』



「双子やなかったら成立するんやろうけど、難しいところやな?まぁ、考えんかったらええ話やけども。」




『まぁ、そうやな。』




「でも、私はそういうのも全然ええと思うから私の前ではなんも気にせんでもええからな。」



『うん。ありがとう。ふふっ。』



「ほら、またにやけちゃってぇ〜」




確かに夢莉のことを考えてもにやけちゃうけど、山田がこんなこと言ってくれたのも…


優しいなって、良い友達に恵まれたって思う。



家族も友達も夢莉も…私は本当に幸せものなんやって。



感謝してる。


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