きみに、一輪の愛を…

□Episode7
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「一応、薬飲んだから様子見てみようか。明日は学校行けへんけど。」




「母さん、花火大会なんやけど…明日とか上がらへんかったら別に行ってもええよな?」




「んー、まぁ彩の体調によるけど…まだなんとも言えへんな。」




「学校大丈夫やったら、行けるやろ…時間もそこまでやないし!な、さや。」





彩には母さんには言うなって、熱が高いのに言われた。




俺は本当はかなり迷った…けど、病気はまだ一応治療中やしこれで何かあったら俺はもう立ち直れない。




彩のことでだったら尚更…




やから、今回は言うことを聞かなかったけどこうやって今フォローしてるつもり。




『ゆーりなんか、しらん…』



「さや…」




「どうしたん?珍しく喧嘩?ま、ほどほどにするんやで〜。」




そう言って、母さんは飲み物とか必要な物を置いてすぐ降りて行った。





「さやのためなんやで。いや、俺のためやけど…なんかあったら嫌やんか。」





『………』





「大丈夫や、ちゃんと熱は下がるから…明日明後日は学校休んで回復させるんやで。」




『ゆーちゃん…』



「母さんには俺からも言うから。大丈夫。」




『うん、、ありがとう…』





それで、なとか彩は機嫌を直してくれて…


後はぐっすり寝てた。



きっとリハビリもあって疲れたんやろう。




次の日…




『ゆーちゃん、いってらっしゃい。』




「うん、行ってきます!熱下がったけど、大人しくしとくんやで?」



『分かっとるよ、家の中で安静にしとくから。』




「じゃあ、行ってくる。」




『行ってらっしゃい。』


彩は花火大会が、よっぽど楽しみみたいで…ちゃんと家で休んでおくって聞いてくれた。




だから、なんとしても花火大会の日は2人でたくさん思い出作りたい。








ーーー









花火大会、当日…





『どう?ゆーちゃん。』




「うん、ええんやない。」





熱も下がって、2日ちゃんと休んだから体調が良くなって…ここ最近で一番元気なくらい。






『ええんやないって、もっと詳しく言って。』





「詳しくって…十分言ってるんやんか。」





「彩?夢莉は照れてるんやん、あんまりいじめたらあかんよ。」






『ふふっ、分かっとるって…でもゆーちゃんは言う権利があるねん。』






「もう良いから、ほら行くよ。」



夢莉はお母さんの言う通り本当に照れてるみたいで、可愛いとか綺麗とか言って欲しかったのに…言ってくれなくて、いつもは好きも愛してるも言ってくれるのにな。




そっちの方がちょっと恥ずかしい気がするのに…?





「あ、気をつけていくんやで!」





『「はーい!」』






それで、2人で手を繋いで花火大会に向かった。





そこまで遠くないけど、近くまでタクシーで行きなさいってお母さんが言ったからそうすることにした…





「ほら、足元悪いから気をつけて。」




『うん、ありがとう!ふふっ着いたね。』




「花火までちょっと時間あるし、屋台見てみよっか。」




『ゆーちゃん、何食べたい?ヨーヨー釣りする?ふふっ。』



小さい頃、お母さんとお父さんに連れて来てもらった時にヨーヨー釣りをして夢莉はすごく喜んで持ってたんやけど…振り回しすぎて自分に当たって割れてびしょ濡れになったことがあった。





その瞬間、大泣きして私がヨーヨーをあげて解決したことがあった。




「いや…もう良いよ、ヨーヨーは…」




『なんで、ええやん。あの時のゆーちゃんほんまに可愛かった。』




「さやにも、母さんにも父さんにも振り回すからやろって…それからずっとそれ言い続けられてるから。ヨーヨー見たら思い出すよ。」




『やっぱりヨーヨーしようよ!ゆーちゃん。』





「え、あ…待ってよ、さや!」







私は夢莉の手を引っ張ってヨーヨー釣りのところまで連れて行った。




『あ、この色が良い〜!』




「じゃあ、俺はこの色にしよっと。」




私は青色のヨーヨーで、夢莉は紫のヨーヨーにした。




お互いが好きな色を取ることにしたんや…





それで、ヨーヨーを取ってからまた歩き出した…





『ふふっ、ヨーヨーなんか久しぶりやな。』




「さやが行かへんって言ってたから、行かなかっただけやん。」




『あははっ、そうやったな。それよりお腹すいた。』



「焼きそばでも食べる?あそこあるから。」




『うん!あと、何食べたい?』



「かき氷でも買おうか。」



『2人で一つでもいい?全部食べられへんから。』




「うん、そのつもり!」



『さすが、ゆーちゃん。』



「言わんでも、さやのことなら分かるからさ〜へへん。」



ちょっと褒めると嬉しかったみたいで、すごく誇らしげにしててなんか可愛かった。





それから2人で手を繋ぎながら買いに行った。
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