きみに、一輪の愛を…
□Episode7
1ページ/3ページ
夢莉の言葉に、私の気持ちは落ち着いて…
とりあえず来週まではそのことを考えないようにした。
今日は水曜日…
どうしても今日だけは予約が朝しか取れなくて、少し遅れて学校に行くことになった。
ガラガラ…
「あ、さや。」
『まだ2時間目やろ?急いで終わらせてん。』
「あんまり無理にそういうことしたらあかんよ。」
『やって、早く学校きたかったんやもん。』
「気持ちはわかるけどさ…まぁ、いいや。ほら鞄持つから。」
『ええよ、もう席そこやし。』
「いいから!」
夢莉ってこういう言いだしたら聞かへんこと良くあるよなぁ…昔から。
その後は授業受けて、体育は見学やから…みんなが使う物を先生と用意を手伝ったりゲームをするなら得点係をしたりする。
「夢莉くん、彩がいない時と全く違うな?やっぱり。」
『え?どういうこと?』
少し早めに着替えて、私は山田と一緒に体育館に行った。
エレベーターは使ったけど、歩いててしんどくなるのもあまりなくなった気がしてた…
でも、今日は移動教室多いんだよなぁ。
「彩がいなかったら、1人でずっとおってなんか寂しそうにしてる。夢莉くんのこと好きな女子が話しかけてもふーんで全部終わりやで。」
『そうやったんや…』
前に学校は好きやないって言ってたから、やっぱりそうなんかな。
「夢莉くんの未来がなんか心配やなぁってちょっと思ったよ。彩とは結婚できひんし…もっと人になれんとな。」
『ふふっ、じゃあ山田が夢莉と付き合ってあげてよ。』
「え?何言ってるんよ。」
『その通りやとおもうし、山田なら安心やな。』
って言いながらも、ちょっとなんか胸痛む気がした…けど、夢莉は私がいない世界とちゃんと向き合わないといけないと思う。
「私や夢莉くんはあかんよ、彩やないと。」
『うーん、心配やなぁ。』
未来は本当にどうなるか分からない、でも…私がそばに居てあげられない気がどうしてもしてしまってて夢莉が心配になる。
だから、今からでも彼女作って欲しい。
自分を安心させたいだけやけど、このままや1人残していけないもん。
そんなこんな、見学でその日は体育館の舞台のところに座っでるだけやのに…
なんか気分が悪くなってきたかも。
『はぁ…気持ち悪い…』
朝リハビリしてちょっとハードやったのに、無理して学校来たからかな。
土曜日、花火大会やのに体調崩したくないなぁ…
とか思いながら、なんとかその日は持ち堪えて家に帰った。
「さや、母さんが果物切ったからしたおいでって。」
『あー…ちょっと横になりたいから、今はいいや。』
「大丈夫?」
『うん、大丈夫やで。』
ずっとなんだか気持ち悪くて、お昼の時もお弁当に手さえつけられなかった。
夢莉たちには持って来てないって嘘ついて、ゴミ箱にお弁当の中だけ捨てて先生に呼ばれてるかはついでに購買行ってパン買ってくるとか言ってお昼休み終わるまで教室に帰らず…急いでて歩きながら食べて来たとか嘘をついて誤魔化した。
無理があったけど、なんかとか信じてくれたから…
「でも、顔色悪いよ…?」
『大丈夫、寝たら治るから…』
「そっか…」
心配そうに見る夢莉を見て、嘘ついたこと悪いなって思ったけど…仕方ない。
数時間後…
『んぅ…』
「さや?ご飯やって。」
『ご飯…いいや…』
「ほんまに大丈夫?熱あるんやないん。」
目を開けると、なんだかさっきよりものすごく身体が重くてだるくて…頭もめちゃくちゃ痛い。
気持ち悪さも増してる…
『ないよ…』
「いや、すごい熱いやん…母さん呼んでくるよ。」
『待って、ゆーちゃん、、、』
私は急いで手を掴んだ。
やって、あと2日後には花火大会やのに…
「どうした?さや…なんで泣いてるの。」
気付いたら泣いてて、夢莉は優しく涙を拭ってくれる。
『花火大会行けへんくなるから、、、言わんで、、、』
「あー…でも、言わんと病院に行かなあかんかもしれんやん。」
『明日はちゃんと治すから、、お願い…』
「さや…」
『ゆーちゃん、…』
「ごめん、やっぱりそれはだめや…さやに何かあったら嫌ややから。」
夢莉は私が握ってる手をそっと離して布団の中に入れると、下に降りていった。
なんだか夢莉が他人に見えた…