きみに、一輪の愛を…

□Episode4
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それからあっという間に彩は退院して家に帰った。



母さんになんとかお願いして、僕が学校とトイレ以外はそばに付いておくことになった。




やから、まだ何かあったらあかんし彩の部屋に行って今日から一緒に横で寝る。


『ふふっ、ゆーりほんまに良いん?』




「ん?なにが?」





本当は体力なくなってるし歩くのもリハビリしに通わないと行けないくらいやから、母さんがそばについてる方が結局は交代とか中めんどくさくなくて良かったんやけど…



僕が彩のそばにいたくて、めっちゃお願いした。



母さんはあかんって言ったけど、言い続けたら許してくれた…







『めんどくさいやろ?お母さんは病院に私をどうせ連れて行かないとあかんから母さんが私と一緒の方が良かったんやない?』




「そんなことない、母さんは交代の方がめんどくさいからずっとそばにいる方がええとか思ってるかもやけど…少なからず俺はさやと一緒にいることにそんな気持ち一切ない。」





『ゆーり…』




「そんなこと考えんでええねん、なんならトイレだってついて行くよ?」





『ふふっ、それはあかん。一人で行ける。』




「なら別になんもないやん、病院には連れて行かれへんけどな。」





『うん、ありがとう…ゆーちゃんと居られるだけで幸せやで。』





「…うん、俺も。」






なんか彩にそんなこと言われると、嫌じゃないけど…前やったらたぶん舞い上がってることも病気のことがあるから、なんか、、な。





ーーー





家に帰ってきて、やっぱり落ち着くなぁって思う。




夢莉は私の隣で寝てくれてて、嬉しいけどやっぱり申し訳なくて私だけベットやし…出来たら私も敷布団で寝たいな。











来週から治療と一緒にリハビリも始まる…




夢莉とデートまでに体力つけてあまり心配かけないようにするのが目標。





今はとにかくどこに行きたいか考えてる途中かな…





がちゃん。




「ただいま、さや。」




『おかえり、私も早く学校行きたいな。』




「行けるよ。来週から行けば良いやん。」




『来週はリハビリと治療やからたぶん体力的に無理かな…』





「じゃあ再来週?」




『かな。』





夢莉が学校行ってるのが、正直羨ましくて羨ましくてたまらない…



「うーん、じゃあそれを楽しみに俺は学校に行くよ。」





『嫌いなん?学校。』




私はこんなにも好きなのに、夢莉はなんか好きそうやないんよな。






「当たり前やん、彩がいるから行ってるけどそうやなかったらとっくに辞めて仕事してると思う。」




『ほんまに、贅沢なこと言ってるんやで?』




通ってる高校は結構難関で、落ちてる人もたくさんいるし…その前にお金がなくて行けない子も中にはいた。




だからどれだけ恵まれてるか、って思う。





「うん、それは分かっとるで?彩に、何回も言われてるし。」





『ふふっ、確かに。』


ちょっと怒りそうになってもそれを夢莉はスッと避ける感じで話すから、やっぱり一つ上をいかれてるってよく思う。



でも、ちょっとなんかモヤモヤした。


ーーー


『デートさ、学校行きだしてから決めても良い?』





「ん?全然良いけど。」





『ずーっとベットに寝てたら何にも思いつかへんわ。』





彩は僕にそう言って、眠たくなったのか壁の方へ向いた。






「さや…?どうしたの?」




『ちょっと眠たくなっただけ…』




「こっち向いて。」





『やだっ、!』




「だめ、向いて。」






なんかおかしいなって思って、怒ったけどこっちに無理矢理むかせた。





「さや…ごめん、俺の言ったことムカついたんだな。」






『っ、、ゆーり…は、ほんまにあほや。』




ぎゅっ。





「ごめんって、悪気ほんまになかったから。」





彩が学校好きなのは知ってるけど、そんなにさっき僕が言ったことに怒ってたとは思わなかった…体調も良くないのに悪いことしたなって泣き顔見て反省する。






『もういい…』




「ごめん、じゃあキスするから許してくれる?」





『もう、ふざけんでよ、、』




ちゅっ。





そう言いながらも、泣いてる彩はまた可愛くて自分が泣かせて心が痛むけど…そっちの方が勝ってしまうから自分を憎む。




無理矢理抱きしめて、そのあと全てをぶつけるように彩に久しぶりにキスをした。







『はぁっ、苦しいやん…』




「ちゃんと、うがいもしてるから、安心して!」





『そういうことやないけど、まぁ…もういいよ。』





「さやは、キスしたらいつも許してくれるよな。」






『……そんなことないもん。』





「じゃあ、これから宿題するからさ床で…見ててよ。」




『うん、良いよ?』




「やった、やっと分からないところは教えてもらえるや。」




『ふふっ、なんやねんそれ…』






よく僕は彩を怒らせるけど、多分機嫌の治し方は一番上手やと思う。



暗いことばっかり考えてしまうけど、なんとか辛くても僕がその中からいつも彩を救ってあげられるようにしたいって常に思ってる…





これからずっとそばにいて欲しいから。


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