きみに、一輪の愛を…

□Episode2
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『ありがとう、もう大丈夫や…ごめんな明日も学校やのに。』







「ううん、でもさやは休んだ方がええんない?」





『大丈夫やで、ありがとう。』





彩はやっぱり具合が悪いみたいで、夜中にトイレでずっと吐いてた。




気持ちが悪いんやろうけど、他のことは言わないから詳しくは分からないけど痩せてるし…絶対病院に行かなあかんやつやんって思ってた。









次の日…





「さや…?」




『ん、…ゆーり?』




「今日学校休む?」





朝起きて、いつも彩が起こしに来る時間やのに来ないから夜中のこともあるし休むんかなって…聞きに行った。





心配で朝普通に今日は起きれた。




『ううん、今何時?…』


「7時だよ。」




『寝すぎたね、あはは…ゆーり1人で起きれるんやん。』




「さやが、起きない日は目が覚めるみたい。」




『ふふっ、なにそれ…なんか双子の特殊能力みたいやな?』




「まぁ、うん…で、休む?」




『なんやねん、適当やなぁ…行くって!』





「昨日あんなに吐いてたのに?」





『それお母さんに言ったらあかんよ?学校は休みたくないねん。さっさと準備して降りるからご飯食べとって。』





「分かった。」






きっと心配させへんように元気に振る舞ってるんやろうなって、彩のことやから思ってた。





朝ごはんも遅れるからって、結局食べへんで学校に向かった…






「さや、倒れるよ?」





『大丈夫やって、なぁ?ゆーり?』




「ん?どしたん?」




『いつからゆーりって、さやって呼ぶようになったんやっけ?』






僕が聞いてることから話題を変えようとしてるのか、そんなことを聞いてくる。


そんなのどうでも良いやん…なんて言えない、怒るやろうし。





「たぶん、さやがゆーりって呼ぶようになったくらいから。」





『ゆーちゃんって呼んでたもんな?時々今も呼ぶけど。さやちゃんやったもんな、小さい頃は。』





「うん、でも俺がゆーちゃんは子供みたいやから嫌だって言ったらゆーりってさやが呼んでくれたから。」




『彩やったらあかんの?』




「さやの方がなんかええやん。」




『うん〜?、そうやな?』




「誰も呼んでないやん、俺だけやし。」





彩やったら結構みんな呼んでて、でもさやちゃんもなんか双子やのに他人みたいで嫌やったから…さやの方が特別感があった。





『確かに特別な感じある…けど、なぁ、その俺ってやめへん?』





「ええやん、高校生になってるんやから俺でええねん。僕ってたまに言ってしまうけど…」




『可愛いゆーちゃん感がなくなってるやん。』




「可愛いとかいらんねん。」




『えー、私は可愛いゆーちゃん好きやで?さやちゃん〜って来るの好きやったのに。男の子ってなんでこう大人になりたがるかなぁ…』






「高校生やもん、子供はもう飽きてん。」





『そっかぁ、なんか悲しいな。』






僕が大好きな彩に子供に見られたくなくて、そうやなくても双子やのに後に出てきたからって弟とか…子供扱いされること多いのに。



カッコいい自分を彩に見せたくて、少しでも恋愛感情湧いて欲しいとか…変なこと考えてる。





「悲しくないよ、さやとゆーりでお互いええやん。」




『ゆーりは普通やん?ゆーちゃんが良いやっぱり。』




「だめ、恥ずかしい。」




『えぇ、みんな呼んでるよ?ゆーりってお母さんもお父さんも友達も。』




「良いの。」





『もう!ゆーちゃんいじわる〜』




「ゆーちゃんって呼ぶなって…」





でも、そう言い捨てて彩は走り出したから俺の話は聞かないよって言ってるつもりなのか。









「あ、彩〜!おはよう!」




『おはよう〜!』






その走ってる途中で、彩は友達に会って別れて僕は1人で学校に行った。
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