パパがママに恋に落ちて。

□どうしても言えなくて。
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その日の夜に本当やったら、父親である夢莉に言わなあかんのに…なんでやろう?






言いたくなかった…





山田にも話さなあかんよって言われてたのに、なんか今の私はおかしい。







でも、悪阻も始まってるから体調は悪いし…情緒も最高に下がってた。







「彩さん?顔色悪いよ…僕がするから寝てなよ。」





『ええって、言ってるやんか…あっち行って。』





「あ、うん…」





なんかイライラするし、家のことも子供たちのことでも夢莉が手を出そうとするとものすごく嫌で…






『もうええから、朱里のズボン裏やんか…私がするからなにもせんで。』






「ごめんね…」




3人目が出来たってことも言ってなくて、いや言えへんくて…



そんな状態やから家の中の雰囲気はどんどん最悪になっていってた。








一週間後…






今日は山田のところへ行かなあかんのに、朝から気持ち悪いし貧血も酷くて…


イライラMAXのどこにもぶつけようない感情が私を狂わせてた。





「まぁま、あかりたんもぉ〜!!」





「ふえぇ〜ん!!」





なのに、朝から朱里が機嫌が悪くて…百花は着替えが嫌いで泣いてたからその後抱っこしてたらリビングに来て朱里がごねた。







『もう、2人いっぺんに抱っこできるわけないやろ?わがまま言わんで。』





「うわぁああん〜!!やぁだぁ!!」





『はぁ、うるさいっ!!』





「うぅ、、」





朝ごはんも作らなあかんのに、イライラしてその気すらならなくて…ソファーにちょっと横になる。







「まぁま!!」





『ふぅ…もう嫌や、、』



「だっこぉちてぇ!!」





『無理やねんって…言ってるやろ、気持ち悪いねん。』





「やーだぁっ!!」





『ちょっとそこで遊んどって!!もう。』





「うわぁあああ〜ん!!」





朱里は大泣きしてて、私は耳を塞いだ…


もうこの泣き声聞きたくない。






「あかりたん、こっちぃよぉ。」





すると、さっきまで泣いてた百花が泣き止んで朱里を玩具のところへ連れていってくれた。






『ももか…』




ちょっとびっくりして、見てたけど…気持ち悪さは変わらなくてソファーに横たわったまま。







「彩さん?どうしたの…?」





『あ…ちょっと、気分悪くて朝ごはん作れへんねん。』





「大丈夫?僕が作るからそのままで良いからね。」





『ゆーり…』





あんだけイライラに任せて今日まで結構酷いことを言ってしまったりそばに来ると鬱陶しがってしまったりしてたのに…





私に対する夢莉の態度は全く変わらなかった。






ほんまに、私は…自分が嫌いや。






『ごめんねっ、、、』





「彩さん…?どうしたの泣かないで。」




自分の愚かさにその優しさで涙が出てきた…





『ほんまっ、、ごめんね、、』




「ははっ、なんでそんなに謝るの?彩さんはなんも悪いことしてないやん…」






ぎゅっ、、、






そんな私を抱きしめて落ち着かせようとしてくれて、頭も撫でてくれた。





『やって、、私…最近ゆーりに、、さ…』





「子供たちのお世話は毎日ずーっと一緒やとほんまに大変やと思う…ありがとうね、ほんまに感謝してるよ。」





まだ何にも言ってへんのに、優しくそう言ってくれるから…やっぱり1番伝えなあかんこと言えへんくて。





ちょっと心がまだ苦しいけど、私はその優しさに包まれることで少し落ち着いた…





『ゆーり、、』





「大丈夫だからね、彩さん…僕はずっと味方やから。守るから。」





言わないいけないことがあるけど、
まだちょっとやっぱり言えへん…どうしようって思いながらも、少しの間そのまま私は抱きしめてもらった。


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