Acting tough

□それぞれの好きな人。
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「あー、おったおった!」




「ん?なんねん。」





私は昼になると、体育館裏で寝てる百花のところに通うようになった。



もう結構来るようになってから経つのに…相変わらず私の扱いは適当や。





「もう、せっかく朱里がお弁当を持ってきてあげてるんやからさ…もうちょっと喜んでや。」





「別に頼んでへんし。」




「ほら、また憎まれ口をたたく!」





とか言いながら、私は百花が好きや…




不真面目というか、不良でタバコも吸ってて授業にはほぼ参加してない…



そんな百花やけど、彩が私たちの中に入れてから話すと案外優しくて面白いし誰にも合わせない…我が道を行く人



そんなところに惹かれた。






「彩は?」





「彩?教室おらんかったで。」





「ふーん、ならここには来んからタバコ吸ってやろう。」




「もう、彩が居なくても吸わんでや。」




ばしっ。





「あ、返せや…」





私は思わず取った。




こんなに毎日一緒に居る私やなくて、なんでたまにしか会わない彩の言うこと聞くねん…








「なぁ、朱里さ。」





「ん?なに?ほら、お弁当作ってきたんやから食べて。」





「おっ、作ってくれたんや?」



「べ、別に百花のためやないし…あまり物が多かったから。」




「ふーん、なぁ俺のこと好きなん?」




「えっ…」





私は百花のその言葉に固まった…





「どうなん?」



「……百花は、、どうなん。」




「俺?んー、どうやろ。」




「好きって言ったらどうするん。」




「おれんち、来るか?」




「百花の家?」



「うん、来てもええで暇やし。」





「なら…行く。」




「おっけー、腹減ったわ。」




「良いん?」





「別にええよ、一人暮らしやし。」





「ふふっ、やった…」





私はなんで誘われたんか分からんけど、嬉しくてたまらなかった。




「なんやねん、嬉しそうやな…てか美味いやん。」





「え、ほんと?ふふっ、良かった!」





百花の気持ちが私になくても…


この時間が幸せやった。




このまま私のことを好きになって愛して欲しい。
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