小説

□空から愛が降ってくる。続2
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『ごめんな…』





「えっ…」





「さ、彩…居たんや…」







私が謝ると、2人は予想通り驚いてた。





「あかんやん!寝てないと…」





そう言って夢莉は私を見て、すぐに立ち手を繋いで連れていこうとする。










ばしっ…





『離してっ!!』



「彩さん…」




手を振りほどくと、夢莉は悲しそうな顔をした。




ほらまたや…


私といるとその顔しかせんやん。



もう一緒に居るのはやめよう。










『もう、ええから…』




「なにが良いんよ。」




『別れようや…な?夢莉。』



「な、なんでそうなるんよ!!」




『だって!病気のことやってなんで隠してたんよ!!私の病気やのに私に言わんで朱里には言ってるんやん!!』





「そ、それは!!」





『ううん、それに最近夢莉は朱里ちゃん朱里ちゃんって…そればっかや。
気付いてへんやろ?私より朱里の名前をよんでんねん。辛いんやから、、、
もうこれ以上苦しみたくないねん。』





夢莉が、言おうとした言葉さえも遮り…




全てをぶつける。










「違うよ、彩…!!夢莉はな、彩のことをいつも相談してたんやで?病気のことやって、言ったらどうなるか怖かったんやって。」






『うるさいっ…』





「彩さん…?」




『夢莉も朱里も嫌いや…もう2度と来んでっ!!』





「さ、彩さん!!待って!!」




私はどこ行くのかも分からず走った…


もうどこでええ、命いらんから天国に早く連れて行ってや。












『はぁっ、…はぁっ、…』





気づいたら、屋上にいて…無意識か自分が何をしようとしてるか分かった。




そうや、このまま消えたら誰も辛くない。







『好きやったのに…』





涙が止まらないけど、運命には逆らえへんねん…




もう嫌や、こんな辛い想いするのは。




愛してる人が自分ではない人と結ばれようとしてるは事実なんや。











がちゃん!!





「彩さんあかんっ!!やめてっ!!」




「彩っ!!危ないから!!」





『私…ゆーり…が、好きやってん、愛してたんや。』





2人は追いかけてきた。



もうほっといてくれたらええんや…




私はフラフラとおぼつかない足取りで、屋上のギリギリまで行った。




ここで少しでも押されたら落ちるやろう…










「やめてっ、…彩さん。」




『ゆーり…』




「私が悪かったから、お願い…私やってあなたを一番愛してる。」




夢莉は泣きながら言ってきた。




また泣いてる…





『ええねん、そんなん…もうほっといてや。』




「なんで、信じてくれないの…私はほんまに彩さんだけやからっ!」





するも、夢莉はこっちに来た。



「夢莉、今は行かん方が…」




朱里は私が本気やって分かってるからか、夢莉を止めようとした。





「死んだら、それで終わりかもしれへんけど…私はどうなるの?」




そう言いながら、スタスタと近づく。






『来んで!!ほんま、飛び降りるからな…』




「彩っ!!あかんっ!!」






でも、いざ前に行こうとすると足がすくむ…


上手く歩けへん。






『あっ、、、』





ふらっ。





その時、身体がふらついて…私は本当に落ちそうになった。

とうとう終わりや…












がしっ、、、!!






「彩さん!!」




ぎゅっ、、、









でも、夢莉が間に合って…手を引っ張られた。





『なんで止めんねん!!私なんかほっといてや!!』





ばしんっ!!





『痛っ…ゆーり…』




「もう、やめて…」


いきなり頬を叩かれた。


こんなに痛いの慣れてるのに…治療より痛い気がした。


また怒鳴られるかと思ったら、泣いてこっちを悲しそうな目で見てた。




「彩さん…お願いやから、死ぬなんか言わんでや…」




『なんでよ…だって、ゆーりには朱里が…』





「朱里さんとは友達なだけ。」




『でも…』




ぎゅっ、、、







「ごめんね…彩さん、、、」




『ゆーり…?』







頬に触れられながら、今度は抱きしめられた…










「そんなに、彩さんが傷つくとは思わなかった…彩さんのためにしたことやのにほんまにごめん。」




すると、私も目から熱いものが溢れてしまった…





私の中にあった、辛い硬いものが溶けて流れてきてるみたいに。




『ゆーり…グスッ、、、』




「ほんまにごめんね、彩さん…」




『謝らんでや、ゆーり…もうええから私やって悪いんやし。負担たくさんかけてしもうてるんや。』





「そんなことない!」




『それは嘘やんか、朱里に相談してたんやろ…でも私を傷つけんためやってんなありがとう。』


「彩さん、私…彩さんが居なくなるって思うと怖くて寝られへんねん…」




夢莉の私の想ってくれてる気持ちは痛いほど伝わってくる。



『私はゆーりと居られるだけええねん…お願い泣かんで?』




「彩さん…」




『私はそう簡単に死なへんよ、大丈夫…でもゆーりが一緒に居てくれたら嬉しいな。』





「分かった、彩さん…ずっと一緒にずっとずっとや。やから、どこにも行かんで…」





夢莉の涙に私は生きないとあかんのんやって痛感してした。




夢莉のために。



こんなに私のことを想ってくれてるのに、被害妄想なんてして…嫉妬して最悪やな。





ごめんね…
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