小説

□空から愛が降ってくる。続
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がちゃっ…




「夢莉?!どしたん…」



私がひたすら歩いて辿り着いたのは、もともとは彩さんのお友達やった朱里ちゃんの家。



体調を崩し始めた彩さんのことをよく相談してて、そのうち仲良くなり3人でも会ってよく遊んでる。


彩さんに言えないことは、朱里ちゃんに聞いてもらってた…










「彩さんが…彩さんが…」




「もしかして、彩に何かあったん?」



「うぅ、グスッ…」



「夢莉…よしよし、、」



ぎゅっ、、、




朱里ちゃんは泣く私を見て、優しく抱きしめて頭を撫でてくれた。












それから家に入れてくれて、出してくれたお茶を飲んでると落ち着いた。









「で、どうしたん?喧嘩ではないねんな。」




「うん…」



「体調のこと?」




「彩さん、昨日…発作で吐血してさ…入院してん。」




「えっ!?そうやったん。知らんかった…」





「それで…今日も…また、、うぅ、グスッ。」





話そうとすると、涙が止まらなくて…


ゆっくりゆっくり話しても、朱里ちゃんは黙って聞いてくれた。



やから、胸たまってるもの全て彩さんに言えないこも話せた。










ーーー
彩side




『げほっ、げほっ…ゆーりどこ行ったんやろ。』




私がまた吐血してしまったから、帰るのをやめてくれて夢莉は戻ってきてくれていた。


でも、量が尋常やなくて…部屋も別室に移されてさっきよりも管が増えた。

喘息発作が原因やと思ってたけど、どうやら違うのかもしれない。
いきなり胃痛も激しかったし何より吐き気がすごかったから。









それに…普段めったに泣かない夢莉が、泣いたから。









なんか悪い病気なんかな…









夢莉、私が嫌になったんかな…










そんな不安がぐるぐると巡りながら、まだ身体がしんどくて…気持ち悪さから寝てしまった。



もう夢莉は戻ってきてくれへんかも。










ーーー



夢莉side






「でもさ、夢莉…」




「はい…」




「手術せんかったらの宣告なわけで、夢莉が支えて…治療頑張れるように支えてあげなあかんのやない?」




「朱里ちゃん…」





「治らんでもええん?」




「そんな…!!そんなわけ!!」



「やろ?」




朱里ちゃんは分かってて言ってるんや。



「うん…彩さんおらんくなるなんて、考えらへん。」





「なら、ここで泣いてる場合やないよな。彩はもっと不安やと思うよ?夢莉、泣いてしもうたんやろ?」




「あ、うん…」




「まぁ、泣くなって言ってるわけやないけど…もう大丈夫やんな?」




「うん!、ありがとう朱里ちゃん。」




朱里ちゃんも親友の立場やからきっと、私の話を聞いて辛かったと思うけど…優しく受け止めて黙って聞いてくれて軽くなった。







彩さんがそんな中…私は1人にさせてるんやって気付いた。




早く行かないと。
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