小説

□君がいるから幸せ
2ページ/10ページ





「「「いただきまーす!!」」」



『はい、どうぞ〜。』



そして、我が家の賑やかな1日が始まった。



「みゆちゃ、これきらーい!ゆうくんあげりゅう。」



ご飯を食べ始めて早々に、美優紀が好き嫌いを言い始めた。



美優紀は女の子って感じの性格で、誰に似たんやら…気が強い。
でも、おっとりしてる部分もありそれは双子特有の似てるところかな。



「えぇ〜…じゅるぃ。」



『美優紀?、なにしてるん。』



私が今にも怒りそうになってると、百花が言った。




「美優紀?ままに怒られる前にそれ食べた方がええよ。」




「やぁ、みゆちゃきらーい。ピーマン…」



「ゆうくんもね、きらーい。」



2人ともピーマンが嫌いで、でも優希はいつも食べてるけど…怒られるからいつからか黙って食べるようになった。
でも、美優紀がこう言うと便乗して言う…



『ほんなら、2人ともご飯なしな。はい、ごちそうさまでした!』


「うわぁああああん!!ゆぅくんやぁやあ!!…」




優希はすぐに泣き出した…

私は美優紀に堪えて欲しくてしたのに、優希が泣く。




「みゆちゃ、ピーマンきらいやもん。」



美優紀は頑固な娘で、一度言い出したら聞かない。
いつも私と美優紀のこのバトルをしている…ほんまに誰に似たんや。




「ほらほら、優希もそんな泣くなや…彩、返してやれって。」



『なんで返さなあかんねん。嫌いなんなら食べんでもよろしい。』



「うわぁあああん!!」



「ええやん、ピーマンぐらい食べんでもどうもならんって…」



ほんまに百花はいつもそう。

私やって子供たちに嫌われるのは嫌だけど、これから大きくなっていくのに…好き嫌いせずにたくさん食べて欲しい。



人の気持ちも知らんと、父親って気楽やな。





『なんやねん、百花はなんも考えてないからそんなこと言えるんや。』



「俺に当たるやな。ほんまに頑固やな…美優紀そっくりや。」



『むっ!!なんやと?』



「もう!!みゆちゃ、ごはんたべないんやからねーだっ!!」




私と百花の言い合いを見て、美優紀は余計に意地はってご飯を拒否した。

百花があんなこと言うから、残しても許されると思うねん…



『あっそ、なら勝手にしたらええやん。ママはお腹すいても知らんからね〜だっ!!』




「同じように張るなや、2歳児やで?」



『もう、うるさいねん!!仕事行って日中おらんくせにいらんことばっか言わんでや。大変やねんからな!!』



百花の何も考えてない発言にイライラは積もるばかりで、いつもそこまで悪くない優希まで泣かしてしまう。


こんなすぐに怒るのは良くないって分かってるんやけどな…コントロールは難しい。






『はぁ、もう…優くん?泣かんでええからほらご飯食べよう。』



「ヒック…いいのぉ?」



『うん、でもピーマン食べてね?』


「あい、ごめんねぇ…」



『ふふっ、いいよ。おりこうやな?』



優希はこうやって美優紀に惑わされて怒られた時は、切り替えが出来るからまだ可愛い…



でも、美優紀はなかなかの曲者で本当に困らされる。





「なんで俺が怒られるねん…」



『当たり前やん、分かってへんのが大体その原因や。』



「ちぇっ、腹立つ…」



「ちぇっ、へへ…」



『「あっ…」』




百花の何気なくした舌打ちを美優紀が真似して笑った。




『ちょっと…』



「ごめん、今のは俺が悪いな。美優紀?さっきのはもうしたらあかんよ?」



「なんでぇ〜?」



『パパは悪いことしかせんから、真似したらあかんねん。』



「わかた!!」



「それは違うやん!」




さっきの仕返しも混ぜて、私は美優紀に言った。




『あ、てか時間やばない?』




「ほんまや、行ってきます。」



『気をつけてな?お弁当忘れんでよ!』



「持っとるで〜。行ってきますー!」



「「いってらったい!!」」





そうして、バタバタしながら百花は日曜やけど仕事に向かった。



はぁ、この時間からは私1人で双子のお世話や…
結構精神力も体力も使うし、子育てってほんまに大変やって思い知ってる。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ