小説
□君がいるから幸せ
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「「「いただきまーす!!」」」
『はい、どうぞ〜。』
そして、我が家の賑やかな1日が始まった。
「みゆちゃ、これきらーい!ゆうくんあげりゅう。」
ご飯を食べ始めて早々に、美優紀が好き嫌いを言い始めた。
美優紀は女の子って感じの性格で、誰に似たんやら…気が強い。
でも、おっとりしてる部分もありそれは双子特有の似てるところかな。
「えぇ〜…じゅるぃ。」
『美優紀?、なにしてるん。』
私が今にも怒りそうになってると、百花が言った。
「美優紀?ままに怒られる前にそれ食べた方がええよ。」
「やぁ、みゆちゃきらーい。ピーマン…」
「ゆうくんもね、きらーい。」
2人ともピーマンが嫌いで、でも優希はいつも食べてるけど…怒られるからいつからか黙って食べるようになった。
でも、美優紀がこう言うと便乗して言う…
『ほんなら、2人ともご飯なしな。はい、ごちそうさまでした!』
「うわぁああああん!!ゆぅくんやぁやあ!!…」
優希はすぐに泣き出した…
私は美優紀に堪えて欲しくてしたのに、優希が泣く。
「みゆちゃ、ピーマンきらいやもん。」
美優紀は頑固な娘で、一度言い出したら聞かない。
いつも私と美優紀のこのバトルをしている…ほんまに誰に似たんや。
「ほらほら、優希もそんな泣くなや…彩、返してやれって。」
『なんで返さなあかんねん。嫌いなんなら食べんでもよろしい。』
「うわぁあああん!!」
「ええやん、ピーマンぐらい食べんでもどうもならんって…」
ほんまに百花はいつもそう。
私やって子供たちに嫌われるのは嫌だけど、これから大きくなっていくのに…好き嫌いせずにたくさん食べて欲しい。
人の気持ちも知らんと、父親って気楽やな。
『なんやねん、百花はなんも考えてないからそんなこと言えるんや。』
「俺に当たるやな。ほんまに頑固やな…美優紀そっくりや。」
『むっ!!なんやと?』
「もう!!みゆちゃ、ごはんたべないんやからねーだっ!!」
私と百花の言い合いを見て、美優紀は余計に意地はってご飯を拒否した。
百花があんなこと言うから、残しても許されると思うねん…
『あっそ、なら勝手にしたらええやん。ママはお腹すいても知らんからね〜だっ!!』
「同じように張るなや、2歳児やで?」
『もう、うるさいねん!!仕事行って日中おらんくせにいらんことばっか言わんでや。大変やねんからな!!』
百花の何も考えてない発言にイライラは積もるばかりで、いつもそこまで悪くない優希まで泣かしてしまう。
こんなすぐに怒るのは良くないって分かってるんやけどな…コントロールは難しい。
『はぁ、もう…優くん?泣かんでええからほらご飯食べよう。』
「ヒック…いいのぉ?」
『うん、でもピーマン食べてね?』
「あい、ごめんねぇ…」
『ふふっ、いいよ。おりこうやな?』
優希はこうやって美優紀に惑わされて怒られた時は、切り替えが出来るからまだ可愛い…
でも、美優紀はなかなかの曲者で本当に困らされる。
「なんで俺が怒られるねん…」
『当たり前やん、分かってへんのが大体その原因や。』
「ちぇっ、腹立つ…」
「ちぇっ、へへ…」
『「あっ…」』
百花の何気なくした舌打ちを美優紀が真似して笑った。
『ちょっと…』
「ごめん、今のは俺が悪いな。美優紀?さっきのはもうしたらあかんよ?」
「なんでぇ〜?」
『パパは悪いことしかせんから、真似したらあかんねん。』
「わかた!!」
「それは違うやん!」
さっきの仕返しも混ぜて、私は美優紀に言った。
『あ、てか時間やばない?』
「ほんまや、行ってきます。」
『気をつけてな?お弁当忘れんでよ!』
「持っとるで〜。行ってきますー!」
「「いってらったい!!」」
そうして、バタバタしながら百花は日曜やけど仕事に向かった。
はぁ、この時間からは私1人で双子のお世話や…
結構精神力も体力も使うし、子育てってほんまに大変やって思い知ってる。