きみに、一輪の愛を…

□Episode3
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学校に行っても彩は体調が悪くなることはなくて、体育は念のため休んでたけど普通に過ごせた。









『はぁ、疲れたぁ…』





「一週間休んでたんやもん、疲れるよ。」




『宿題したら寝よっと。』




よっぽど疲れたらしくて、家に帰ると彩はすぐに自分の部屋に行った。






それからしばらくして…






「さや、晩御飯食べへんの?」





『後でお母さんがお粥作って持ってきてくれるらしいから』





「まだお粥しか食べられへんの?」






あれからやっぱり彩の食欲は戻ってこなくて、お粥ならやっと食べられるらしい。





『うん…熱が上がったら吐いちゃうから怖いしな。』





「そっか…じゃあ俺はご飯食ってこよ。」





下でご飯食べた後、宿題してたら彩に教えてもらわないといけないところがあって部屋にまた行った。






「なぁ、さや?ここ教えて。」





『ん?いいよ。』





「お粥食べた?」




『うん、食べたよ。』






勉強机で彩は宿題してたけど、僕が来ると床に座って教科書を開いた。






『どこ教えて欲しいん?ゆーちゃん。』




「ゆーちゃんって呼ぶな。」




『ふふっ、あかんのやな…でどこ?』




ちょっと笑って、宿題を教えてようとしてくれた。






「ここ、意味が分からんくてさ…なんでこうなるん?」





『ここはこうやってこうやるねん、そうしたらさ…』





「あっ、ほんまやじゃあこうなるんや?」




『そうそう、出来るやんじゃあここもやってみて。』





「うん、ここは…」






彩は頭もクラスどころか学校でも一位ニ位を争うくらい。




教え方も上手くて、勉強得意やないのに彩に教えてもらうことでテストでも良い点を取れてる…




なんかいっつも彩に助けられてるけど、僕は彩になにもしてあげられてないなって思う。








「こうやっ!あってる?」





『うぅ…』





「なぁ、さや…って!さや!?」





問題を解いて彩に話しかけると返事が返ってこないから顔を上げると、床に手をついて俯いてなんか苦しそうやった。





「さやっ!…どうした?気分悪い?」





『ゔぅっ…ゆー…ちゃん…』





お腹も抑えてて、もしかしてお腹痛いのかな…





「お腹痛い?」




『ゔぅっ…はぁ…はぁ…なんか、、しんどい…』





顔色もまた、あの早退した日みたいに顔がどんどん真っ青になってる。




まさかと思って、おでこを触ると熱もまたかなり上がってた。






「ちょっと、横になろう?」






クッションを床に置いて、彩をとりあえず横にしたけど…横になると余計に蹲って唸ってた。




『ゔぅ…』


汗もかいて、これはなんか重い病気になってるんやないかって苦しむ彩みて思ってしまったから。


「母さん呼んでくるから!!」





『だめ…』





「なんでだよ、呼ばないとだめだろ…病院行ったほうがいい!!」





『大丈夫やから…はぁっ、はぁっ…お母さんには熱がまた出ただけ言って。ベットに横になったら言ってきて…』





「でも…」





『お願いや…ゆーり、、』





「わ、分かった…」







そう言われたから、しばらく彩が動けるまで待ってた。





『はぁっ、はぁっ…やっぱり、、痛いっ、、!!』




「さや!!やっぱり母さん呼んでくるよ!!病院に行かないとだめだ!!」





さっきより苦しんでるというか、痛がり始めて汗もたくさんかいて顔色も悪い…



熱もどんどん上がってるって分かるほど体も熱い。





「母さん!!さやが…!!」





「どうしたん?」




「二階で宿題しとったら急に苦しみ始めて、お腹も痛いみたいで熱もめっちゃある!!」





「ええ!?」





母さんも慌てて2階に上がった。





「彩!!あんたどうしたんよ…大丈夫!?」




『はぁっ、はぁっ、、ゔぅっ痛いっ…』




「母さん救急車に電話してくるから、あと父さんにも言ってくる。夢莉は彩のそばにいて。」




「わ、わかった…!!さや、しっかり!!」





そう言って、母さんが部屋を出て行こうとした時やった。






『ゔぅっ、、げほおっ、、』




「さやっ!!!…」





彩が吐血した…




僕の手には沢山の血がついて彩はその瞬間意識を失った。






「さ、さや!!母さん早く救急車!!」





「う、うん!!」






それから、すぐに救急車が来て母さんが着いていくから僕と父さんは家にいることになった…
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