きみに、一輪の愛を…

□Episode2
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こういう日に限って6限目まであって、ホームルームもなんか長いし…早く帰って彩の様子をみたいのに。



まだ病気かも知んないけど…







ホームルームが終わるとすぐに帰ろうとしてたら。





「太田くんちょっと待って!」





「え、えー、なに?」




「今日さ、私と美優紀とあと男子2人くらい呼んでカラオケ行くんやけど行かない?」





誘ってきたのは朱里やって、なんで今日は苗字で呼んできたんやろう…それが謎解きやった。







「なんで名字なん?」




「やないと、振り向かへんかなって思って。」






「かなり急いでるから今日は無理!」





「あっ、もう〜!!夢莉!!」





こんな日に無理に決まってるの分かってるはずやのになんで聞いてくるんやろう?


それもまた不思議や。





そして、急いで家に帰ってきた。






「ただいま。」




「あ、夢莉おかえり〜」




「さや、病院行ったの?」




「うん、風邪ひいたんやろうって一応点滴してもらって薬も貰って帰ってきた。今寝とるから静かにするんやで。」





「分かった。」






風邪なんやって、あんなに吐いてたのはそれが原因?まぁ医者が言うんやもんそうだよな。





母さんに言おうか迷ったけど、多分そうやしやめといた…




がちゃ。





母さんが言った静かにしろはたぶん部屋に行くなって意味やと思うけど、そんな無理で静かに部屋に入った。





『ゆーちゃん…?』





「なんや、起きてたん。」




『うん、結構ぐっすり病院で寝たからうとうとしてた。』





「そっか、学校の時よりは元気そうやね。」



『点滴してもらったから、ゆーちゃん最後まで授業受けたんやろ?』





「受けたよ、早退したらあかんって言われたから。」




彩は早退する時より元気になってて、なんだか安心したな…






『ゆーちゃんって言っても怒らんのやな。』





「やって、病人には優しくせなあかんねんで。」




『ゆーりはいっつも優しいよ。』




「……あっそ。」




『あはっ、照れた…?』




「照れてない、ええからもう寝とくんや。俺は宿題するから…さやのプリントとかとあそこに置いとるからちゃんと治ってからするんやで。」





『うん、ありがとう…』




すると、彩は寝たから僕も部屋に戻って宿題したり色々したりして過ごした。










彩の熱はしばらく続いて、下がり始めても夜になったら上がるから学校も1週間くらい休んだ。











朝…






『ゆーり、起きないと遅れるよ〜』





「ん…あれ、さや学校行くの?」




最近は学校に1人で行くことが増えてたから、ギリギリまで寝て朝ごはん抜きで睡眠優先にしてたから油断してた。






『やって、1週間休んだんやもん…いい加減行かんと授業ほんまに置いてかれる。』






「でも、昨日も夜熱あったやん…」




昨日の夜も彩は38度まで熱が上がってしまった。






『もう今はないから大丈夫やって、ほら学校行くよ〜』




確かに本人も元気そうやし、何かあったらまた早退することになると思うから良いか…




そんな強制しても彩は僕が言うことなんか聞かないと思うから。


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