パパがママに恋に落ちて。

□どうしても言えなくて。
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それから、しばらく経った…



はじめての家族旅行を夢莉が提案してくれて全て計画をしてくれた。




子供たちもめちゃくちゃ楽しそうにしてて、可愛い笑顔を写真にも納められたし…私のために温泉が有名な旅館を探して予約してくれたし。




もう本当にこんなに家族思いで最高に優しい旦那さんは居ないやろうって心から思う。






やから、私も家事に育児頑張る!





「じょーたん!しゃる!うしゃしゃん!」





『そうそう、上手やで?ももちゃん。』





「見てみてまぁま〜、ほらかいたぉ!」




『ほんまや、朱里はお絵かき上手やね?みんなを描いてくれたん?』



「うん!」






でも、なぜか4人家族やのに1人多い気がするけど…まぁいっか。






「あかりたん!!」




「あーい!」



相変わらず、2人の嫉妬は激しいけど…

百花もお喋りが上手になってきたし、朱里はお絵かきとか得意なことが増えてきた。



本当は仲良いみたいやしな…

こうやって子供って大きくなるんやなぁって、感心しながら毎日過ごしてる。
















けど、一つ私には実は気がかりな事があって…







それは…もしかしたら3人目が出来たかもしれないって事。







『ふぅ…』




その日はやけに頭がフラフラするし、食欲もなくてどうやら体調が良くない。





やから、買い物にも行かず掃除も必要最低限なところまでしかしなかった…


その分2人の遊び相手になったり、そばで見守ってた。


でも夢莉になんて言うかな。




何故かいつもちょっと、子供のことを相談するのを躊躇ってしまうんだよなぁ。



たぶん産んで欲しいって言ってくれるのは分かってるから…こそ、迷いが出る。




もう2人で終わりやと思ってたから戸惑いがなによりも大きくて。




またあの悪阻や貧血に悩まされるかと思うと…正直に怖い。

夢莉も、頑張ってくれてるから私も頑張ろうって意気込んでた直後にもう弱気になっちゃってるところになんか余計に落ち込むんでもやもやする。









夜…






「いただきまーす!」


「いたまーしゅ!」


「まーしゅ!」




『はい、どうぞ。』





帰ってからもなかなか言いづらくて、それに食欲までないから…



『ももちゃん、ママの半分あげるわ…朱里も食べるやろ?』


「たべりゅー!!」




「やちゃ!やちゃ!」



私のをあげると言うと2人とも両手を上げて喜んでくれた…可愛いな。





「彩さん、食べないの?」




『うん、私あんまりこれ好きやないねん…子供たちが好きやから作ってるけどな。』




この言い訳でなんとかなるかなって…





「そうだっけ…?」





『そうやで?』




でも、何か引っかかるのか…聞き返してきた。




こういう時とかはほんまに鋭いねんなぁ…夢莉って。






「食欲ない?」




『やからちゃうって。』




「熱は?」




『ないって言ってるやん…』




「でも、朝も食べてなかった。」




『それは…』





黙ってしまった…よく見てるんやな。



どうせなら言って相談した方が楽になるのに。


「具合悪いなら無理しないで?僕が、後はやっておくからさ。」




『ううん、大丈夫。』




でも、どうしてもその原因かと思われることをまだ言いたくなくて…意地を張った。









そして、食器を洗ってるうちに子供たちは夢莉がお風呂に入れてくれたらすぐに寝てしまったみたい。







「彩さん…?」




『ん?』





「何かあったの?」




『別になんもないよ。』





無理してでも夜ご飯は食べるべきやったな…疑われてる。





「ほんまに?なんか僕に怒ってる気もしたんだけど…」




『あ、それはないで?怒ってないよ。』




「じゃあ、それ以外に何かあるの?」





『………』





「彩さん?」





『ううん、ほんまになんもないよ。
心配してくれてありがとうゆーり!』



ぎゅっ。





「それなら良いんだけど…何かあったらすぐに言うんだよ?」





『うん、ありがとう。』





話した方が楽なんやと思うけど、それが出来ないから苦しいんや…


とりあえず、ちゃんと明日は病院に行ってみよう。




なんとか今日は誤魔化せたから良かった。
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