Acting tough

□きみと手を繋いだ日。
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夢莉と初めてあった日…


彼は命を絶とうとしてた。




すぐに分かったんや、表情をみて風に当たってるだけやないって。












何か忘れたい物から逃れようと、頭の中をリセットしようとしてる。









こういう時は自然に声をかけるのが一番やって、分かって声を掛けた…









いざ話してみると、今まで死のうとしてたのに常に人の機嫌を伺うような仕草をする…




やから、死にたくなったんやな。




この人はきっと優しすぎるんやろうなって思った、不器用なんやって…







だから、余計にそんなこと二度と考えて欲しくないって思ったから…
ここで会う約束をしたんや。











私やって、逃げ道が欲しくなってたから…










「あ、彩〜!部活行くで!」





『うん!』




私はダンス部に入ってて、部長をしてる。




今話しかけてきたのは副部長で同じクラスのしっかり者に見えて少し抜けてる山田菜々…




「彩ちゃん、お昼どこ行ってたん?寂しかったんやから〜!」




『あははっ、、ごめんって!お腹痛くてトイレ行っててん。』





そう言って、私に抱きついた来たのは同じくクラスも一緒でダンス部の…
渡辺美優紀。





「大丈夫なん?もう治ったん?」



『うん、治ったから大丈夫やで〜。』





心配してくれてるのは、またまた同じクラスでダンス部の吉田朱里。





私ら4人は1年から同じクラス同じ部活で仲が良い。



それに加えて、男子のダンス部をもあって…




部長の福本愛菜、副部長の岸野里香もクラスが一緒なのもあり私たちの仲の良いグループに入ってる。







「おっ、部活か?頑張れ〜!」




『ふふっ、そんなところでなにやってんねん?』




部活室行く途中に体育館裏を通るんやけど、そこには最近ちょっとずつ仲良くなってる…ちょっと不良の木下百花がいる。







百花がタバコを吸ってたところを私が見つけて、こんなに正義感強かったかな?って…



思いながらも、たくさんか話し掛けて仲良くなり無理矢理に私らのグループに入れた。




それが私たちのグループの崩壊のきっかけになることも知らずに…








「は?ええやん、なんでも…」





「百花って、いっつもここにおるん?」





「なんや朱里、俺に興味あるんか?」




「朱里あかんで、こいつ絡んだらえらいことになるで。」





「なんで菜々はそんなこと言うねん、私らの仲間に入れてあげたやんか。」




「別に入れてなんか言ってへんけどな…」





『まぁまぁ!そんなこと言わんの百花も。山田も百花に失礼やからそんなこと言ったらあかんよ?私ら仲間なんやからさ…』





「そうやけどぉ…」





私らの高校は結構不良が多いんやけど、その中でも百花は1年からずっと一匹狼で気になってた…




実は誰にも言ってへんけど、だいぶ前に私が職員室に行く途中に気分が悪くなったところを助けてくれたことがあった。


保健室まで連れて行ってくれて、やっぱり悪い奴やないんやって思ったから。





『でも、百花?タバコ吸ってたんやないやろうな?』





「確かに彩ちゃん、ここタバコの匂いするよな。」





『そうやねん、怪しいやろ。』




「吸ってへんから!!はよ部活行けや。」





『ふーん、じゃあ行こうか。』






そう言って、私たちは部室に向かった。






「見てみて、これ可愛いやろ?新しく買ってん!」





美優紀は着替える時に新しいブランドの靴を見せてきた。





「わぁ、ほんまやあんたそんな高級なん買うお金がよぉあるよな?」




「美優紀って、金回りええよなぁ。」





この朱里の一言が火に油を注いだ…





「朱里やって、ええやんか。ブランドばっかどんな商売してんやろうな?」





「商売?アルバイトって言えへんの?」





「アルバイトやないかもしれんやん?」






「美優紀やって!!」




美優紀も朱里も何故か、いつもちょっとのことで喧嘩っぽくなる…




なんでかは分からんけど。





「ちょっと2人ともやめぇや。」




『そうやで、なんでそんなことで喧嘩になるねん。』




私と山田は少し呆れる。




「だって私も見たんやもん。」




「何を見たって言うねん。」




『もうええから、ほんまにやめぇや…美優紀も朱里も仲良くして。』





どうやら、お互いに2人は秘密ごとを知ってるらしく…




よくこういう会話をする。




「ふんっ、それより百花もダンス部入らんのかなぁ?」




『百花は入らんのちゃう?』





「えぇ…」





百花を紹介してから…朱里はよく百花のことを言うようになった。




「もしかして好きなん?」




美優紀が何気なく聞いたけど、まさかなって…




「はっ!?な、わけ!!」




「わかりやすいなぁ。」





「なんやって?!美優紀、もう一回言ってみや!!」




いきなりムキになって、美優紀に殴りかかりそうな朱里を見て…


ちょっと驚きつつ、止めに入る。





『もう、朱里…落ち着いてや。』




「そうやで、美優紀も喧嘩売ったらあかんよ。」




「ごめんって、そんなに怒ると思わんかってん…」




「まぁ、ええけどぉ…」






その日はそれで収まったけど…





これから私らの中にどんどんとヒビが入ってくなんて、思わんで。




夢莉との出会いも、これからまだまだ私に神様は修行をさせたいんかなって思った。











今はまだ子供やから、何が一番大切なのか分からない。




分かってても、青春真っ只中の私たちに思春期の男女には強がることしか出来なくて…




手遅れになってから、なりかけてからしか分からへんのや。


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