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□あんたの隣。
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『ゔぅっ、、』
「あ!!動いたらあかんって!!」
しばらくは怪我も酷くて目も見えないから、私は付きっきりで看病をしていた…
でも、アントニオは寝たきりなのが自分で許せへんみたいで…身体も言うこと聞かへんくせにこうやって動こうとする。
『ゔぅっ、、はぁっはぁっ…うるさいねん。』
「あかんよ、まだ身体が治ってへんのやから…」
『私だけ寝てるわけにはいかん…』
いっつもそうや、周りに頼ったらええのに…
あんたは絶対にそうしようとしない。
「早く良くなってや。迷惑やねん…」
『コビー…』
「アントニオがそんなんや、みんなが迷惑なんやから早く良くなってや。」
『………』
「ほら!横になって。」
私がそういうと、言うこと聞いて寝てくれた…
怪我か痛むのか、寝てる時は魘される時が多く見てるこっちも辛かった。
『はぁっ…はぁっ…いぃ…』
「アントニオ?苦しい?…」
汗をたくさんかいて、開かない目をぎゅっと瞑る…
「アントニオ…」
『コビー…』
「ん?おるよ。」
『もっと近く…きて…』
「うん、分かったよ。」
私が近くに行くと、手探りでまた頬を触り…感じると安心するのかまた眠ってくれる。
そんな辛い日々も乗り越えて…
やっとアントニオの視力が戻り始めた。
『コビーなん?…』
「見えるん!?アントニオ!!」
『うん…なんかボヤッとしとるけど。』
「よかった!!アントニオ!!」
ぎゅっ、、
『ちょっと…コビー…』
「ええやんか、私が看病しあげてたんやからな?」
『そう言って、他にはさせへんかったんやろ?』
「あかんの?」
『ふふっ、なんやねん…でもありがとう。』
「どういたしまして、アントニオ…!」
周りの目を気にせずに、そんな風に笑い合って仲良くしてると…ツリシたちが見ていた。
「全く、姐さんたちは仲良いんやから…」
「ほんまに、私がアントニオ姐さんの看病しようとした時のあのコビー姐さんの顔…見た?」
「見た見た…怖かったな…」
「あの嬉しそうな顔が想像つかへんわ。」
なんだかんだ言われてたけど、今はそんなの気にならへんくらい嬉しい…
あんたの隣は私だけなんやから!
居なくなるなんかこの先も許さへんからな?アントニオ…