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□かわいい2
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さあ!今日も学校だ!いいお天気!何かいいことありそうだな!!
昨日あの後の記憶が曖昧なのが少し気になるけど何とかなるでしょ!

 「モブ子ちゃん。おはよー」
おっとこの声は凄くかわいいイケメン君改め御伽龍児君ではないか。
 『御伽龍児君おはようございますわ。今日もよい日和で何よりだわ』
またやってしまった。朝から緊張させるからこうなるんだ。
 「君って凄く個性的だよね。もちろん良い意味でだよ!それにしても家の方向同じだったんだねー」
なんかフォローされた気がする。家の方向同じだったんだー凄い偶然。てかこのまま一緒に登校ですか!?心臓と手汗大丈夫ですか!?既に大丈夫じゃなさそうだね!走り去りたい気分。
 『それでは私学校に用事があるのでお先に失礼』
 「え、ちょっと」
いきなり走り出してやったぜ!やっふぉぉい!御伽龍児君が何か言っていた気がするけど気にしない。気にしたら負けだよ。それに一緒に登校していたのがハーレム集団にバレたらこのクラスでやっていける自信ないぜ!学園生活が泥沼生活になっちゃうよ!

全速前進で教室に到着したせいか春なのに汗まみれになってしまった。うわぁ汗臭くないといいのだけど。にしても想定より早く到着してしまった。誰もいない教室は何だか寂しいなぁ、誰か早く来ないかな。とりあえず席に座ってボーっとするか。
 「モブ子ちゃん…いきなり走りだすなんて驚いたよ」
御伽龍児君んんん!?なんでなんで教室に来ているのかなぁ!?普通は呆れて普通に登校してくるとこでしょうが!しかも汗まみれじゃないし、息乱れてないしイケメンの力ってやつかなぁ!?
 「せっかくこうして隣同士の席にもなれたんだしさ仲良くしようよ、ね?」
 『え!?ああ!うん!ソウダネ!?友達になれると嬉しいな?』
…可愛さのあまり、ほぼ反射で答えてしまった。しかも声裏返ったし。恥ずかしすぎる、人生の汚点だわ。いいよなぁ!?イケメンは何しても様になるからよぉ!
 「フフッ、さっき走り出したときにこれ、落としていたよ。はい」
笑われてしまった…めちゃくちゃ恥ずかしい、なにこれ公開処刑?ん?落とし物だって??
 『あ、これを届けてくれるためにわざわざ走って追いかけて来てくれたの?流石イケメン、行動もイケメンだわ。これはファンクラブ結成待ったなしだな』
 「イケメンだなんて照れるな…僕は当たり前のことをしたまでさ。気にしないで」
 『んん?どうして思ったことに反応してくるんだ?イケメンにもなると心まで読めるのか?これから変な考え事したとき怖いな、隣の席だからよく読み取られちゃう』
 「ックク、思考を読み取れるんじゃなくて、君が声に出して言っているんだよ…クククッ」
 『…あれれ、ということは今までの事全部…』
 「今までの事全部、じゃなくて落とし物を拾ってから心の声駄々洩れだよ。ハハハ」
 『嘘だと言ってくれ!これじゃあ私不審者感丸出しの変な女認定されてしまう!』
 「不審者って…ッハハ笑った笑った。それにしても君結構面白い事考えているんだね。昨日の行動が少し変だったのもそれが原因だったのかな?」
え、昨日私変な態度していたの!?ああもう帰りたい。帰らせてくれ先生。僕早退します。
 「でも良かった、嫌われてるんじゃなくて。少し緊張していただけだったんだね。でも気負わなくていいよ気楽にお話し、しよ?」
気楽にお話なんて出来るわけないじゃない。でも悲しいかな口が勝手に反応しちゃうんだ。
 『はい!喜んで!』
プロポーズ受けた人の反応かっちゅうの。でもまあ仕方ないよね。頭が正常に働いていないんだもの。
 「フフ、そんなに反応が良いと嬉しいな。でも皆注目してるよ」
お、注目…だと…?そんな教室には私と御伽龍児君しか居ないはずなのに…って何人か登校していらっしゃるー!うわぁ今日どんだけ恥ずかしい目に合ってるのよ。もう下向いていようかな。うん下向いていよう。
 『それじゃあまた話そう?モブ子ちゃん』
追い打ちの極みですか!?もういい加減にしてくれ!


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