貴方の隣(長編)

□日常から非日常へ
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ずっと、変わることのない日常が続くと思っていた。


平穏な日々、学校に行って…友達と遊んで、大人になって…仕事が日常になるんだと思っていた。



ー日常が、非日常へ変わるまではー



「行ってきます」


松野小夜。高校一年生。青春真っ只中の16歳。


一人っ子だが、ごく平凡な家庭で生まれた。


今日もいつもと同じように、学校へ行く為家を出る松野。


けれど、その日は何かが違った。


「……?なんか…聞こえたかな?」


小夜の耳に、何かが聞こえた。


それは小夜が幼少の頃から、時折聞こえるもの。


声…言葉とは違う『何か』


そして、幼少の頃から見る夢。


沢山の木々に囲まれて、着物を着た人達が…何かに立ち向かっていく夢を…


今朝もまた、見てしまった。


「……………」


風が耳を掠める度に、自分を呼んでいる気がした。


言葉として聞こえるものじゃないのに、確かに聞こえる。



『此方においで』と…………





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