貴方の隣(長編)
□出会い
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かごめもハッとして、自分を落ち着かせた。
「ごめんね、私が盛り上がっちゃって…」
「いいよ。かごめちゃんの勢い見たらむしろ落ち着いたから」
「あはは…。えっと、まずココが何処なのかってことを教えるわね?ココは私達がいた現代じゃなく、戦国時代なの」
かごめのその言葉に固まる小夜。
「せ、戦国時代って…まさかあの織田信長とかいた時代の?」
「えぇ…。信じられないでしょうけど本当のことよ」
あまりに非現実的な事実、疑わない訳がない。
しかし周りの風景を見ると、現代でないことは明らかだ。
「私…タイムスリップしちゃったのね……」
自分の状態を軽く嘆いていると…
「おーい!かごめー!」
勢いよく赤い着物の男が入ってきた。
「あ、犬夜叉…」
「ったく!一人でさっさと行くんじゃねーよ!!てめぇの荷物運んでやってんだからよ!」
元気がいいな、と思って見ていたが…
「い、犬の耳……?」
その男は、犬の耳を生やしていた。
その呟きに、かごめが犬夜叉を慌てて引っ張った。
「あ、小夜ちゃん!紹介するわね?この人は犬夜叉っていうの」
「んぁ?なんだぁ?オメーかごめと似た服着てんだな?」
「か、かごめちゃんと同じところから来たの。あ、貴方妖怪…なの?」
「だったらなんでぃ」
「べ、別に…。かごめちゃん、すごい人と知り合いなのね…」
「犬夜叉は大丈夫よ。無闇に人を傷つけないから」
会話からして、犬夜叉とかごめにはそれなりの親しみがあるのは分かる。
しかし妖怪と知り合いとは…普通に凄い。
しかし、二人のやり取りを見る限りでは…人間と大差ない。
妖怪だからと、差別するのは失礼だったかもしれない。
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