短編集 -3-dimensional-

□je suis aimee Trois
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「30分前…」






風のような速度で渋滞をすり抜け、高速と小道を使い分けて会場に到着すると控室までの最短距離で案内されていく。





先ほどまでのグダグダな進行と比べてしまい、名の背中は大きく感じ麻衣は笑みを浮かべる。




「えっ!?名さん!?」





「おっ、桃子〜バッチリメイクだな。可愛い可愛い」





名と麻衣が到着すると桃子が驚いた声をあげるが、名は頭を撫でて制し麻衣に準備を促した。





「ありがとね、保安官」




「はいよー」




「もう既にキャラ忘れてるし」





麻衣が映画のように抱き着いて感謝を伝えると、ぽんぽんと背中を撫でるだけで名はすぐに控え室から出て行った。






「麻衣さん…名さんが迎えに来てくれたんですか?」




「ん?うん、どうかした?」




「い、いえ…羨ましいなぁと…あはは…」




桃子は名の出て行ったドアを見ながら呟き、その妙な様子に麻衣は話をしたかったが準備を進める事を優先した。







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