短編集 -3-dimensional-

□Cerisier reprendre
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「……」





「…」




沈黙の時間が続き、不意にねるの頭が名の肩に乗る。





「名が女の子と居たら…ねるの考えが違ったって…諦めようと思った……」





「ねるの考え?」





「ねるは不器用やけん…どっちか手を抜けないから…名は離れたんやろ?」





「…」




「ねぇ……桜の花びらを口だけで取れたら…もう一度、名に告白しても良かと?」




名の沈黙を肯定と捉えたねるは小さく笑みをこぼして立ち上がる。





舞い散る花びらを口で取ろうと飛んでみたり、走り回ってみたりするねるに名も自然と笑みを浮かべている事を感じて立ち上がる。




「ねる」





名はねるの前で花びらを簡単に口で捉えて舌を見せる。






「ねるが捕まえないと意味が…」





困った様子の笑みをしているねるを抱き寄せて唇を合わせる。




「…っ!?」






「じゃあ…告白、してくれる?」





口移しで花びらはねるに渡り、名は優しげな表情で問いかける。





「名の事…好いとるけん…付き合って?」




「もちろん。喜んで…」





恥ずかしさに耐えきれなくなったねるは、名に抱きついて顔を隠くすので、名も二度とこの温もりを手放さないと心に誓って強く抱きしめた。












fin



















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