欅の宿り木
□欅の宿り木 5話 後編
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「ふぅ…」
グラスに曇りがないか上へ持ち上げて照明に当てながら確認していると、リビングのドアが開く音がした。
「ピザの皿を出さないとなぁ」
「…」
「…」
「なに?金、足りなかった…か……?」
沈黙している友梨奈に名はグラスを置いて、ドアの方を向くと友梨奈の他に女性が立っていて驚く。
「「え?」」
「呼んだ?」
名と友梨奈の言葉が重なって、互いに首を傾げる。
「いやいや、オフロスキーのテンションで言われても…俺、連絡先知らねーし」
「そか、そうだよね。私、ゆっかーに名の所に居るなんて言ってたっけ?」
「あの、ごめんなさい!名字君のお父様から今日は一人で居るって聞いて、来てしまいました…友梨奈が居る事も知らなくて!」
深々と頭を下げて小さくなる菅井に名と友梨奈は目を合わせて頷く。
「親父の仕事の付き合いって、菅井さんとこのパーティだったんですね」
「あー!名のお父さんがゆっかー推しなのって!!」
「ああ、なるほどな…」
「え?え??」
名と友梨奈の中では色んな疑問が一気に解けていき、妙な満足感があったが菅井は困惑した表情をし続けていた。