短編集 -3-dimensional-
□je suis aimee douze
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「あ…う〜…あー…はぁぁ…」
番組で挑戦するトリックショットを練習して数日が経ち、基礎は身についても壁が越えられず真佑はポケットに落ちていく白球を目で追いながらしゃがみこむ。
「おい!真佑!そのレベルを失敗してヘコんでんじゃないぞ!!俺に失礼だろ!」
「え…あ…名字さん…いや、逆に、なんでそんなに下手くそなんですか?」
ビリヤードの出来るスマートな男を目指すと言い切って、同時に練習をしだした名は最初に出された課題すら達成する事が出来ずにいて真佑は苦笑する。
「くそ〜…最初は同じレベルだったのに」
「確かに…これが出来なかったなんて今では信じられないです」
「おい。その嫌味、男だったら、マジで肩パンしてるからな」
「ふふふっ、大丈夫です!すぐに上手くなりますよ!」
「上から〜真佑子〜♫よし、一回頭グリグリさせてくれ」
「わぁ!ごめんなさーい!」
二人が騒ぎながら練習に取り組んでいると、ビリヤードを教えてくれていた講師が一旦休憩にしようと伝えてくるので真佑は飲み物を買ってくると部屋から離れた。