短編集 -3-dimensional-
□je suis aimee huit
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「桜井もこれで卒業かぁ」
「寂しくなるな」
乃木坂初代キャプテン最後のライブが終わり、バナナマンの二人と集まっていた卒業生達は感慨深げな声を出すが玲香は不満げな表情を見せる。
「あのさ、私の卒業だから集まったんだよね?」
「えっ?あ、うん」
「絶対、嘘!みんな、名さんを探してキョロキョロしすぎ!!」
写真を撮っている間も、スタッフに紛れて名が姿を現さないかと皆が目線を左右に振っているので玲香の携帯で撮影された写真は皆の視線が定まっていなかった。
「いや、さすがにキャプテンの卒業ライブは来るかなぁと…」
「ホンマそれな。私達の時も来んかったし…卒業したら関係切られるんかなって泣きそうなった」
「分かる!!で、死ぬほど勇気出して仕事の相談したらいつものテンションで構ってくれてさ!」
「そう!それで、泣くっていうね!!」
「みんな、一緒だったんだー!」
「ちょっと!!もぉー!!」
佑美が話し始めて皆が盛り上がるのは名の話なので、玲香は吹き出しながら佑美の肩を叩く。