短編集 -3-dimensional-
□le chocolat chaud
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今日は企画として、廊下を歩いてきた人が弾ける楽器で急にコラボしたらどうなるか!?
というものをお送りしたいと思います…。
が…。
「…」
「…」
一番最初に通りかかったのは月島さん。学年一の秀才、運動神経抜群、容姿端麗まさに完璧超人だが、負けん気が強くて男の子も平伏す眼力の持ち主で女帝とも呼ばれてる。正直、少し苦手。
よし、スルーしよ。
何も声を掛けずにいると、私が持っている企画内容の看板を見て溜息をつく。
「……道明寺さんも大変ね。私、ピアノしか弾けないけど良い?」
え?マジ!?
「あ、え?い、いいんですか?」
「なんで敬語?良いよ、道明寺さんの歌、結構好きだし」
やば、月島さんに歌を褒められた!!嬉しすぎなんですけど!!
クールな笑みを見せながら、月島さんは音楽室に入ってピアノの調整をしだす。